私は昔、読書をしない人間でした。
100ページ以上もある本を読んでいると、必ず途中で眠くなります。
気づけば、いつもよだれをたらして眠っているという状態でした。
今思えば、興味のない本を読んでいたことが原因でした。
興味のない本は、頭が回らず、すぐ眠くなります。
しかし、興味のある科学系の本を読んでいると、眠くなることはありませんでした。
わくわくして、むしろ本を読んでいて目が覚めるほどでした。
この違いは、好きかどうかです。
興味があるかないかです。
面白いかどうかです。
これは読書をするうえでは、重要なポイントです。
高校時代、あることがきっかけで読書の楽しみ、読書の仕方を知るようになりました。
そろそろ将来について本気で考え始めた、高校1年の冬でした。
本屋で見かけた、受験テクニックの本がきっかけです。
これから受験を迎えようとしている私にとって、一番興味のある内容であり、なおかつ自分のお金で買った本でした。
その本に限っては、眠くならず、すらすら読めるのです。
今でも覚えていますが、買ったその日に読み始めました。
すぐ読みたくて、待っていられませんでした。
今まで、読書ができなかったのは「興味のない本を読んでいるから」という単純な理由がわかりました。
何でも本を読めばいい、というわけではありません。
世間では「いろいろな種類の本をたくさん読もう」といわれています。
たしかにそのとおりです。
しかし、そうは言っても、興味のない本を読んだところで、長続きしません。
無理やり読んでも、字を目で追うだけになり、本当に身につきません。
まず興味のある本から、読み始めることがポイントです。
読書の第一歩は、興味のある本から読み始めることです。
「それでは知識に偏りができるのでは」と思うかたもいることでしょう。
たしかに知識に偏りができます。
しかし、その偏りが、あなたの専門になり、得意になり、強みになります。
そういう分野を作るためにも、そもそも読書は最初に偏りが必要です。
しかし、不思議なことに1つを突き詰めていくと、だんだんほかの分野に興味を持つようになります。
たとえば、私の場合、受験勉強のテクニックが書かれていた本が読書をするきっかけでした。
わかりやすく、ユーモアが含まれている内容だったので、どんな人が書いたのだろうと著者を確認します。
するとその著者は、ほかに何冊も本を出版しているようでした。
「こんなにわかりやすくて面白い内容を書ける著者が書いた本なら、ほかに書いた本も面白いに違いない」
そう思って、著者が書いたほかの本を読んでみると、やはり予想が的中です。
文章の書き方は、人が変わらないかぎり、そうそう変わりません。
わかりやすくて面白い内容を書く人は、ほかのジャンルの本を書いても、わかりやすくて面白いです。
その著者は、受験勉強の内容だけでなく、お金の話に関する本も書いていました。
お金の話もわかりやすく書かれているので、だんだん興味のある幅が広がります。
お金のことに興味が出ると、またほかの分野にも興味が出始めるという具合でいい。
まず、興味のある本から読書していくことです。
それからだんだん、読むジャンルの幅を広げていけばいいのです。