読書の魅力は、連鎖させていくことです。
興味や関心を軸にして、次から次へと読書を連鎖させていくところに読書の魅力があります。
読書の連鎖には、次の2種類があります。
まず(1)の「興味や関心を軸にした連鎖」は、一番メジャーな読書のつなげかたです。
もともと人生について興味のある人が、まず人生についての本を読み始めます。
人生に興味関心が深まると同時に、興味関心が波及して、人間についても興味が出てくるようになります。
次に、人間心理についての本を読み始めます。
すると、次は人間が構成する社会について、興味が出てくるようになります。
社会の本を読み始めると、法律に関して興味が出てくるようになります。
法律の本も読み始めるようになります。
そういう興味関心を軸に、次々と読書をするジャンルを広げていきます。
知識や教養の幅が広がると同時に、知識や教養の偏りを防げます。
次に(2)の「著者を軸にした連鎖」です。
1人の著者が出版している本をすべて読み干してしまう、という読み方です。
自分にとってわかりやすい文章を書く著者と出会えば、ジャンルは関係なく、その著者が出版している本すべてを注文して読みます。
たいてい、著者の文章の書き方は、ほかの本を書かせても大きく変わることはありません。
読みやすい文章を書く著者が、ほかの本を書いても、やはり読みやすいです。
文章には、癖、習慣、考え方が大きく左右されるため、人が変わらないかぎり、文章の読みやすさが変化することはありません。
また文章には、著者の経験、体験が盛り込まれているものです。
1人の著者を徹底的に追及して、恩師のようについていきます。
著者のすべてを知ろうというくらいに吸収するほうが、身につくのも速くなります。
「興味や関心を軸にした連鎖」「著者を軸にした連鎖」のどちらでもいい。
そのときの自分の気持ちに合わせて、たくさんの読書をすればいいでしょう。
読書の魅力は、連鎖させていくことです。
オリンピックの聖火をつなげるように、興味関心という心の火を、次の読書へとつなげてください。
火を絶やさず、次へとつなげることに意味があるのです。