「英語は得意ですか」
「日本史はお詳しいですか」
「地理はお詳しいですか」
そんな質問をされたとき「はい、高校で習っていました」「大学受験で勉強しました」と答える人がいます。
もちろん受験で勉強したからには、知識に自信があるのでしょう。
勉強したのは紛れもない事実です。
知識を身につけ、理解を深め、試験でも高得点を取っていたはずです。
集中的に勉強した過去は誇れるものだし、必ずプラスになります。
受験に合格しているなら、知識だけでなく、学歴も手に入れているはずです。
しかし、ここで注意したいのは、それは過去の話だということです。
「高校のとき習っていた」「大学受験で勉強した」ということは「今は勉強していない」という可能性を含んでいます。
勉強していないと、忘れます。
どんな科目でも、日頃使わなければ、次第に忘れるものです。
得意科目だとしても、受験以降まったく勉強していなければ、ほとんど覚えていない可能性さえあるのです。
仮に覚えていたとしても、知識が古いままになります。
受験時代は、あくまで「当時の知識」です。
知識は、時代と共にアップデートされます。
昔は通用した知識が、今では通用しなくなっていることもあります。
かつての日本史の教科書には「鎌倉幕府の成立は1192年」と書かれていました、現在は「1185年」に修正されています。
地理も同様です。
何年もたてば、人口や生産量が変わり、ランキングも入れ替わります。
人口1位の国といえば、以前は「中国」でしたが、現在は「インド」です。
原油産出国の首位は、かつて「サウジアラビア」でしたが、現在はシェール革命により「アメリカ」となりました。
国の名前が変わった例もあります。
「グルジア」は現在「ジョージア」に改称されました。
「ザイール」は現在「コンゴ民主共和国」に改称されています。
ちなみに現在「インド」という国名を「バーラト」に変更するか議論が行われているところです。
このように知識や情報は、新しい発見や社会の変化によって刻々と変わっていくのです。
では、本当に詳しい人は誰なのか。
「趣味で勉強している人」なのです。
趣味にしている人は、好きだからこそ日頃から勉強しています。
自分から積極的に情報を取りに行っています。
暇さえあれば、関連書籍にも目を通しています。
時間やお金をかけて取り組んでいることも少なくありません。
遊び感覚で取り組んでいたとしても、大切なのは「継続」です。
日常的に触れることで復習になり、知識が強化され、更新されていきます。
趣味と聞くと、遊び半分でやっているイメージがありますが、実際は大きな武器になっています。
適当でも少しずつでも、日頃から触れていることのアドバンテージは強いのです。
高校時代や受験時代の話を持ち出すのは、もはや古い話です。
それは過去の話です。
何十年も前のことかもしれません。
大切なのは「昔はどうだったか」ではなく「今はどうか」です。
英語でも日本史でも地理でも、今どれだけ触れているかが重要です。
そういう意味で、受験で勉強した人より、趣味で勉強している人のほうが詳しいのです。