公開日:2023年8月7日
執筆者:水口貴博

美術鑑賞を楽しむ30の方法

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なぜスタッフに質問しても、きちんと答えてもらえないことが多いのか。

なぜスタッフに質問しても、きちんと答えてもらえないことが多いのか。 | 美術鑑賞を楽しむ30の方法

作品についてわからないことがあって、近くにいるスタッフに質問する人がいます。

絵の詳しい説明を求めたり、解説の不明点を質問したりです。

美術鑑賞をしていると、ふと作品について疑問点が浮かぶものです。

作品を見ていると、もっと詳しく知りたくなります。

「ちょっとよくわからないな。詳しい意味を教えてもらおう」と思い、近くにいるスタッフに質問します。

もちろん質問するのはいいのですが、ありがちなことがあります。

作品について詳しい説明を求めると、十中八九「わかりかねます」という返事が返ってくるはずです。

なぜスタッフに質問しても、きちんと答えてもらえないことが多いのか。

展示エリアにいるスタッフは、たいてい学芸員ではないからです。

展示エリアにいるスタッフを学芸員と思っている人がいますが、ほとんどの場合、そうではありません。

普通の監視スタッフであり、美術に詳しい人とは限りません。

美術学校に通ったことがない人もいます。

そもそも美術史の知識がない人であるケースも珍しくありません。

そのため作品について質問すると、きちんとした回答が得られないケースがほとんどになるのです。

スタッフに聞いて答えられなくても、それはそれで仕方ないことです。

「学芸員なのに知らないの?」と思っているなら、そもそも勘違いです。

きちんと答えてもらえたら、ラッキーと思うくらいがいいでしょう。

質問するのは自由ですが、答えられなくてもむっとしないことが大切です。

スタッフに質問するなら、写真撮影は可能かどうか、お手洗いの場所はどこか、といった基本的なことがいいでしょう。

作品について詳しく知りたいときは、自分で調べるのが基本です。

美術館によっては無料のガイドツアーが開催されていることもあります。

ガイドツアーは学芸員が担当するので、どんな質問にも詳しく答えてもらえるでしょう。

学芸員は「博物館法」という法令で定められた仕事であり、その道のプロフェッショナルです。

知りたいことや質問したいことが多いときは、ガイドツアーの開催日に足を運ぶのも1つ方法です。

美術鑑賞を楽しむ方法(23)
  • スタッフに質問してきちんとした回答が得られなくても、むっとしない。
気になる画家や作品が見つかったら、後から深く調べよう。

美術鑑賞を楽しむ30の方法

  1. 美術館は、心を豊かにする場所。
    入館の前と後のあなたは、別人になっている。
  2. 美術鑑賞は「見たいな」と思う展覧会を見つけることから始まる。
  3. ネットでの美術鑑賞で満足してはいけない。
  4. 美術鑑賞を高尚なものだと考えない。
    肩の力を抜いて、気軽に楽しむことが大切。
  5. 展覧会に足を運ぶ際は、予習をしておこう。
  6. 美術館は、できるだけ平日の朝一に行くのが良い。
    夜間に開館しているなら、ナイトミュージアムもおすすめ。
  7. 美術館は、身軽な服装で行こう。
    靴はスニーカーがベスト。
  8. 劇場や美術館に入るときは、入り口に注目しよう。
    芸術鑑賞の時間は、劇場や美術館の入り口から始まっている。
  9. 音声ガイドを借りると、理解がすいすい進む。
    美術鑑賞がもっと楽しくなる。
  10. 美術鑑賞中は、マナーモードが基本。
    できれば機内モードがベスト。
  11. 鑑賞中の会話は認められている。
    ただし、大きな声での会話は控えるのがマナー。
  12. 撮影禁止の作品は撮影しない。
    作品ごとに一つ一つきちんと確認する。
  13. 美術品を見る時間より、解説パネルを見る時間のほうが長くなっていませんか。
  14. 美術鑑賞をするときの3つの基本ステップ。
  15. まずお気に入りを1つ見つける。
  16. すべての作品をじっくり鑑賞しなくていい。
    ぴんときたものだけ、時間をかけてじっくり鑑賞する。
  17. 至近距離で見るのはいいが、全体を見ることも忘れてはいけない。
  18. 作品リストを活用した、美術鑑賞の楽しみ方。
  19. 「家に飾るならどれにするか」という視点で鑑賞すると、面白い。
  20. 着席スペースがあれば、無理をせず座ろう。
    着座位置から鑑賞するのも面白い。
  21. 単眼鏡は、美術鑑賞をより深く味わうためのアイテム。
  22. 美術品を見るときは「制作年」もチェックしよう。
    昔の作品が美しく残っていることは感動に値する。
  23. なぜスタッフに質問しても、きちんと答えてもらえないことが多いのか。
  24. 気になる画家や作品が見つかったら、後から深く調べよう。
  25. 常設展にも足を運ぼう。
    美術館の「核」に当たる作品と出会える。
  26. ガイドツアーがあれば要チェック。
    入館料以上の楽しみを満喫できる。
  27. 「このエリアで一番気に入った作品はどれか」「本展のマイベスト3はどれか」という視点で鑑賞すると、面白い。
  28. 美術鑑賞の最後は、ミュージアムショップを楽しもう。
    気に入ったグッズがあれば、迷わず買うのが吉。
  29. 気に入った展覧会は、図録の購入がおすすめ。
    図録の3つのメリットとは。
  30. 何度も鑑賞するのも、粋な楽しみ方。

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