美術館に入ると、どうしてあれほど澄み切った気持ちになるのでしょう。
美術館は、大きな宝石箱だからです。
美術館の中は、外と違った空気が流れています。
美術鑑賞はどこから始まるのでしょうか。
「見たいな」と思う展覧会を見つけることから始まります。
見たい展覧会であれば、それだけ集中しやすくなります。
「いちいち美術館に行かなくても、ネットで見たら十分じゃないか」と言う人がいます。
たしかに作品の様子を確認するだけなら、ネットは便利です。
作品を鑑賞することも、詳しい説明を読むこともできます。
「美術館は私なんかが行くところではない」と言う人がいます。
「美術の知識はゼロ」
「美術のことは全然わからない」
展覧会に足を運ぶ際は、できれば予習をしておきましょう。
学校の授業でも予習が大切であるように、美術鑑賞でも予習が大切です。
必須ではありませんが、余裕があればして、おいたほうが良いことです。
美術館に行くなら、できるだけ平日がおすすめです。
休日や祝日は混雑が予想されます。
ゆっくり鑑賞したくても、混み合っている中では難しいことがあるでしょう。
美術館は意外と体力を使う場所です。
館内を歩き回るうえ、ずっと立ち続けていると、それだけ足が疲れます。
展覧会の規模によっては、長時間の鑑賞となることもあります。
劇場や美術館に到着したとき「もったいない」と思うことがあります。
「早く中に入りたい!」という気持ちがあるためでしょうか。
来場客の多くは入り口に向かってそそくさ歩き、館内に入ります。
美術鑑賞では、なかなか絵を理解できなくて苦しむことがあります。
「なんだかよくわからない」
「迫力はあるけど、評価ポイントはどこ?」
美術鑑賞中は、マナーモードにしましょう。
できれば機内モードにすることをおすすめします。
ちょっとした音でも、ほかのお客さんの迷惑にもなります。
家族や友人と美術館に足を運ぶことがあるでしょう。
1人で鑑賞するのもいいですが、親しい人と一緒に美術鑑賞するのもいいものです。
そんなとき注意したいのは「話し声」です。
美術館では、撮影OKと撮影禁止の作品が混在していることがあります。
展示エリアで分かれていることもあれば、同じ展示エリアでも、作品ごとに撮影OKと禁止が分かれていることもあります。
撮影OKの作品は、もちろん撮影ができます。
美術館での美術鑑賞に欠かせないのは、キャプションです。
美術品の脇にあって、作品名・制作年・制作意図など詳しい情報が記載されています。
美術品だけではどんな内容の作品なのか把握できないことがあります。
美術館では、どのように美術鑑賞をしていけばいいのでしょうか。
もちろん鑑賞法に決まりがあるわけではありません。
個人が自由に鑑賞すればいいのですが、基本の鑑賞ステップがあります。
あなたはある日、美術館へ訪れた。
たくさんの絵が飾られている。
数多くの作品があって、すべてを鑑賞するのに時間がかかりそう。
美術館は、体力が必要です。
足も疲れ、時間もかかります。
入館料も支払い、わざわざ美術館まで足を運んでいることもあります。
美術鑑賞が趣味という人も多いでしょう。
美術館でありがちなのは、至近距離でじろじろ見ることです。
わざわざ美術館まで足を運びました。
美術鑑賞をより深く味わうためにはどうすればいいのでしょうか。
作品リストを活用した、美術鑑賞の楽しみ方があるのでご紹介します。
美術館では、展覧会の入り口すぐのところに作品リストが置いてあります。
美術鑑賞がより面白くなる視点があります。
「家に飾るならどれにするか」という視点です。
人は、自分に関係することとなると、気持ちが入ります。
展示会場に着席スペースがあるなら、チャンスです。
席が空いているなら、無理をせず座りましょう。
「まだ疲れていない」「体力は十分余裕がある」と思うかもしれませんが、油断は禁物です。
近くで鑑賞したくても、難しい場合があります。
作品によっては、床にラインが引かれていて、その外側から鑑賞することになります。
ラインの内側に入ってはいけないというルールがあります。
美術館で美術品を見るとき「美術品」だけなく「制作年」に注目してください。
制作年は、キャプションを見ればすぐわかります。
「へえ、この時代、この年代につくられたものなのか」
作品についてわからないことがあって、近くにいるスタッフに質問する人がいます。
絵の詳しい説明を求めたり、解説の不明点を質問したりです。
美術鑑賞をしていると、ふと作品について疑問点が浮かぶものです。
「この画家についてもっと深く知りたい」
「この作品についてもっと深く知りたい」
美術鑑賞をしていると、興味をひかれる画家や作品を見つけることがあるでしょう。
忘れがちなのは「常設展」です。
常設展とは、期間を設けず、いつでも見られる展示のことをいいます。
「企画展にはよく行くけど、常設展はほとんど行かない」という人も多いのではないでしょうか。
常設展や企画展では、ガイドツアーが開催されていることがあります。
ガイドツアーでは学芸員が担当し、それぞれの作品について詳しく解説してくれます。
参加費は、入館料のみで、無料が一般的です。
美術の楽しみを増やす、2つの視点があります。
「このエリアでいちばん気に入った作品はどれか」「今回の美術展でいちばん気に入った作品はどれか」です。
美術展では、エリアに分かれています。
美術展は、作品を鑑賞して終わりではありません。
美術展の最後にあるのは、ミュージアムショップです。
たいてい出口付近にあって、その企画展の関連グッズがずらりと並んでいます。
気に入った展覧会は、図録の購入がおすすめです。
図録とは、わかりやすく言うと「展覧会公式の解説付きのカタログ」です。
大きくて、分厚くて、重量もあります。
美術鑑賞は、1回で十分とは限りません。
「感動した。素晴らしい展覧会だった。もう一度鑑賞しに行きたい」と思うことがあるかもしれません。
そんなときは、もう一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
美術館に入ると、どうしてあれほど澄み切った気持ちになるのでしょう。
美術館は、大きな宝石箱だからです。
美術館の中は、外と違った空気が流れています。
清らかな静寂と落ち着いた雰囲気に満ちていて、心地よい空間が広がっています。
どの美術館にも素晴らしい作品の数々が展示されていて、発見や感動と出会えます。
「すごい!」
「なんて美しいのだろう!」
「世の中にはこんな素晴らしいものがあったのか!」
私たちは美しいものや素晴らしいものを目にすると、心が奪われます。
作品を鑑賞するにつれて清らかな気持ちになり、癒やされていきます。
作品を一つひとつ見るたびに心が洗われていくのが自分でもわかる。
美術館では数々の作品を通して新鮮な刺激や価値観が得られます。
芸術に対する見識も高まり、世界観も広がります。
しばし夢のような時間を過ごせるでしょう。
ちょっと落ち込んでいても、美術館で鑑賞を楽しむと、自然と元気が戻ってくるから不思議です。
美術館は、心を豊かにする場所です。
美術鑑賞の時間は、心を豊かにする時間です。
美術館に入る前と後のあなたは、別人になっているのです。
美術鑑賞はどこから始まるのでしょうか。
「見たいな」と思う展覧会を見つけることから始まります。
見たい展覧会であれば、それだけ集中しやすくなります。
一つひとつの作品を楽しみながら鑑賞できるでしょう。
どきどきわくわくして胸が躍ります。
興味のある展覧会であれば、自然と集中してしまい、印象にも記憶にも残りやすくなります。
自然と楽しい美術鑑賞の時間となるのです。
現在開催中の展覧会をチェックしてみましょう。
気になる展覧会はないでしょうか。
たまたま町中のポスターや電車内の広告で見かけることもありますが、積極的に見つけることも大切です。
できればこちらから積極的に情報を取りに行きたい。
美術館のウェブサイトにアクセスすれば、開催中の展覧会をチェックできます。
展覧会のことが頭から離れないなら興味がある証拠です。
「見たいな」と思う展覧会を見つけたら、さっそく足を運んでみましょう。
開催期間は限られています。
「時間ができたら行こう」「来月になったら考えよう」と思っていると、いつの間にか会期が終了して、行きそびれるのがオチです。
カレンダーやスケジュール帳に予定を入れておきましょう。
前売り券が販売されているなら、ためらわず購入するのが正解です。
ペアチケットや音声ガイド付きのセットチケットが販売されていることもあるので、併せてチェックしてみてください。
未来に楽しい予定ができると、胸が躍ります。
美術館に行く日が決まれば、仕事のモチベーションにもつながって、一石二鳥となるのです。
「いちいち美術館に行かなくても、ネットで見たら十分じゃないか」と言う人がいます。
たしかに作品の様子を確認するだけなら、ネットは便利です。
作品を鑑賞することも、詳しい説明を読むこともできます。
足が疲れる心配もなく、開館時間・閉館時間も関係ありません。
しかし、ネットで確認できるからといって、そこで満足しないことです。
そこにあるのは「平面画像」です。
絵の具の盛り上がりも確認できません。
本物とディスプレイに映った画像は、同列に並べることはできず、完全に別物です。
どんなに美しい作品であろうと、どれだけ素晴らしい名作であろうと、しょせんディスプレイに映った画像にすぎません。
ネットだけでは、十分な美術鑑賞ができないのです。
きちんと美術鑑賞をするなら、やはり美術館に足を運びたい。
本物を直接鑑賞することで、作品のリアルを楽しめます。
ネットで見るのと、実際に本物を見るのとでは、受ける印象はまったく違います。
絵画であれば、作品の素材や質感などがよくわかります。
実際に生で見てみると、影の様子や絵の具の盛られ方など、立体的な様子を楽します。
正面だけでなく、いろいろな角度から楽しめます。
近くで見たり遠くから見たりできます。
作品と直接対峙することで、言葉では表現できないものが伝わってくるのです。
本当に美術鑑賞を楽しむなら、やはり自分の目で直接本物を見るのがベストです。
美術鑑賞は、一種の体験です。
時間もお金も労力もかかりますが、それだけの価値は十分あります。
心から感動するためにも、しっかり記憶に焼き付けるためにも、美術館で本物を鑑賞することが大切なのです。
「美術館は私なんかが行くところではない」と言う人がいます。
「美術の知識はゼロ」
「美術のことは全然わからない」
「西洋絵画なんて1ミリもわからない」
「私の芸術アンテナは折れている」
「学校で美術史を履修していない」
美術鑑賞を高尚なものと考える人が少なくありません。
たしかに「美術鑑賞」という言葉は、それだけで気高い印象があります。
あらたまった服装を着ていく必要があるような印象もあります。
素人や初心者が行くところではないと考える人が少なくありません。
しかし、ここに誤解があります。
美術鑑賞を高尚なものだと考えないことです。
高尚なものと考えていると、ハードルが高くなります。
心理的な抵抗が出てしまい、美術館に足を運びにくくなるのです。
美術鑑賞はもっと気楽に楽しむものです。
予習ができればベストですが、だからといって必須というわけでもありません。
予備知識があれば楽しめますが、なければないで、それも楽しい。
雰囲気を見て楽しむだけでOK。
筆の運び方や絵の具の盛り上がり方を見るだけでも面白い。
作品を見て「すごいなあ」「美しいな」と思うだけでも楽しめます。
あらたまった服装も必要もありません。
身軽な格好で十分。
靴もスニーカーでOKです。
美術館は体力を使うので、むしろ身軽な格好のほうが適しています。
美術の知識がなくても問題ありません。
音声ガイドを借りれば、素人や知識ゼロの人でも楽しめます。
そもそも会場にはキャプションがたくさんあるので、予習がなくても楽しめるようになっています。
肩の力を抜いて、気楽に足を運びましょう。
映画館に行くようなノリでいいのです。
「あっ、何か面白そうなのがやってる。ちょっと行ってみるか」でOK。
美術鑑賞を高尚なものと考えず、気楽に楽しむものなのです。
展覧会に足を運ぶ際は、できれば予習をしておきましょう。
学校の授業でも予習が大切であるように、美術鑑賞でも予習が大切です。
必須ではありませんが、余裕があればして、おいたほうが良いことです。
たとえば、画家をテーマとした展覧会なら、その画家について予習しておきます。
「ゴッホ展」「フェルメール展」であれば、ゴッホ、フェルメールについて調べておくといいでしょう。
ざっくりとした略歴や代表作などチェックしておきます。
土地や様式をテーマとした展覧会もあります。
「ブルターニュ展」「リヒテンシュタイン展」であれば、ブルターニュ、リヒテンシュタインについて予習しておきます。
地図で大まかな場所を調べたり、地域の特色を確認したりします。
「ロココ美術展」「近代日本画展」であれば、ロココ美術、近代日本画について予習しておきます。
ウェブで様式の特徴や誕生の経緯など、事前にチェックして頭に入れておきます。
美術館内はスマホを使用しにくい環境なので、前もって調べておくのが得策です。
見逃せないのは、雑誌やテレビです。
大きな展覧会であれば、雑誌で特集が組まれます。
テレビ局が主催する展覧会であれば、必ずテレビ番組が組まれます。
雑誌やテレビを予習教材として活用するのもおすすめです。
理解の程度は、予習が少しあるだけで変わります。
前提知識があれば、鑑賞の際、すいすい頭に入ってきて理解しやすくなります。
鑑賞中「なるほど!」とうなずくことが増え、ますます楽しく鑑賞できるようになります。
それに伴う感動も増えるのです。
ネットで簡単にチェックするだけでOK。
少しでも手間を省きたいなら、企画展のウェブサイトをさらっとチェックするだけでもかまいません。
予習があるかないかで、鑑賞の満足度が変わってくるのです。
美術館に行くなら、できるだけ平日がおすすめです。
休日や祝日は混雑が予想されます。
ゆっくり鑑賞したくても、混み合っている中では難しいことがあるでしょう。
人気の展覧会では、大勢の来場客が押し寄せます。
休日や祝日と比べると、やはり平日のほうが空いています。
人が少なければ少ないほど鑑賞しやすいのは言うまでもありません。
平日の中でも、さらにおすすめなのが朝一です。
たとえば、10時開館なら10時ぴったりに足を運びます。
平日は空いていますが、開館直後はさらに空いているので最高に快適なのです。
休日や祝日しか時間が取れない場合は仕方ありませんが、曜日や時間を選択できるのなら、頭の片隅に入れておくといいでしょう。
美術館によっては、平日でも夜間に開館していることがあります。
ナイトミュージアムが実施されている美術館は意外とたくさんあって便利です。
普段は夕方ごろに閉館しても、特定の曜日だけ夕方以降も開館していることがあります。
美術館としても、より多くの方々に来場してもらいたい思いがあります。
行きたい美術館でナイトミュージアムが実施されているなら、選択肢の1つとして検討してみるといいでしょう。
仕事帰りや学校帰りやの美術館も素晴らしい。
すてきな夜を過ごせるに違いありません。
美術館は意外と体力を使う場所です。
館内を歩き回るうえ、ずっと立ち続けていると、それだけ足が疲れます。
展覧会の規模によっては、長時間の鑑賞となることもあります。
美術館を出るころには足が棒になっていることが少なくありません。
そうしたことから、余計な体力が奪われないよう、対策しておくのが賢明と言えます。
美術館では、どんな服装がいいのでしょうか。
まず心がけたいのは、身軽な服装です。
服は少しでも軽いほうがいいので、無理のない範囲で身軽な服装で向かうのがいいでしょう。
ただし、身軽な服装とはいえ、あまりラフな格好は場にそぐわないため、避けておくのがいいでしょう。
外が寒くて、マフラーや厚手のコートを身につけることもあるでしょう。
バッグやカバンなど持つ人もいるはずです。
手荷物は、できるだけコインロッカーに預けましょう。
美術館では一般的に、無料のコインロッカーや返却式のコインロッカーが設置されています。
軽い荷物もあるかもしれませんが、両手を自由にしておくほうが鑑賞に集中しやすくなります。
長時間持ち続けると体力を奪うので、できるだけ預けておくのがいいでしょう。
日頃からキャッシュレスを心がけている人もいるでしょう。
普段現金を持ち歩かない人は、美術館に行く際、100円の準備をしておくのが安心です。
100円玉を持っていないなら、窓口に声をかけて両替してもらうといいでしょう。
コインロッカーの有無やタイプを知りたい場合は、美術館のウェブサイトでチェックしておくのが安心です。
靴は、スニーカーがベストです。
もちろん革靴やハイヒールもOKですが、混んでいたり会場が広かったりすると足が疲れてしまい、鑑賞の集中力が奪われます。
美術館は静寂と落ち着いた雰囲気に包まれていて、小さな物音も響きやすい空間です。
足音が気になる人もいるため、できるだけスニーカーがおすすめなのです。
服装はできるだけ軽くして、靴はできるだけ足が疲れにくいものを履き、持ち物も減らしたい。
快適な美術鑑賞をするためには、できるだけ身軽にしておくことが大切なのです。
劇場や美術館に到着したとき「もったいない」と思うことがあります。
「早く中に入りたい!」という気持ちがあるためでしょうか。
来場客の多くは入り口に向かってそそくさ歩き、館内に入ります。
もちろん悪いことではないのですが、ここは見る目を養うチャンスの1つです。
劇場や美術館に足を運ぶことがあれば、ぜひ「入り口」に注目してみてください。
きっとすてきな入り口があるに違いありません。
劇場や美術館の入り口は凝ったつくりになっていることが多い。
石造りの門があったり、立派な表札が立っていたりするでしょう。
大理石の階段があったり、立派な門柱がそびえ立っていたり、見応えのある像が置かれていたりなど。
美しい装飾が施されていて、よく見ると、アールヌーボーやアールデコの様式になっていることもあります。
劇場や美術館によって入り口の雰囲気もさまざまです。
劇場や美術館の入り口とはいえ、手間や費用がかかっていることが多い。
特に「国立」と名のつくものは、立派な入り口になっているはずです。
趣や格式を感じさせる入り口になっていて、一見の価値があります。
そんな素晴らしい入り口をスルーするのは惜しいことです。
入り口の手前で足を止め、入り口と周辺に目を向ける時間をつくりましょう。
芸術鑑賞の時間は、劇場や美術館の入り口から始まっているのです。
美術鑑賞では、なかなか絵を理解できなくて苦しむことがあります。
「なんだかよくわからない」
「迫力はあるけど、評価ポイントはどこ?」
「これにはどんな意味があるの?」
「どんな背景で製作されたのかな?」
作品の外観はわかっても、意味や着目点がわからず、首をかしげることがあるものです。
鑑賞したのはいいが、いまいち良さを理解できず、雰囲気だけ味わって終わりとなることは珍しくありません。
消化不良の感覚を持ったまま鑑賞を終えることもあるのではないでしょうか。
そんなとき役立つのが「音声ガイド」です。
展覧会によっては、音声ガイドが用意されていることがあります。
せっかく美術鑑賞するなら、より深くまで味わいたいもの。
音声ガイドでは、ゆっくりとした口調で、わかりやすく丁寧に説明してくれます。
見どころやエピソードなど詳しい解説が聞けるので、美術の門外漢でも楽しめるのです。
「なるほど、そうなのか!」と思うことが増えること、間違いなし。
読むのが苦手な人でも、音声なら気軽に楽しめるでしょう。
耳から聞くと、すっと頭に入ってきて、理解しやすくなります。
今まで音声ガイドをスルーしていたなら、一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
解説プレートを読めば十分と思うかもしれませんが、音声ガイドでは、さらに詳しい話が聞けることがあります。
人気俳優が音声を担当していることもあるのでぜひチェックしてみてください。
音声ガイドは基本的に有料ですが、それだけの価値は十分あります。
絵の理解がぐっと深まり、美術鑑賞がもっと楽しくなるのです。
美術鑑賞中は、マナーモードにしましょう。
できれば機内モードにすることをおすすめします。
ちょっとした音でも、ほかのお客さんの迷惑にもなります。
集中力は、一瞬の着信音で失われます。
電話がかかってきたりメッセージが届いたりすると、そちらに気を取られ、集中力ががくっと落ちるのです。
美術鑑賞中は、集中力が大事です。
いったん集中が切れると、再び集中を取り戻すのに時間がかかります。
そのため美術鑑賞中は、スマホをマナーモードや機内モードにしておくのが基本なのです。
もちろん電源をオフにするのもOKです。
通信が遮断されて着信は一切できなくなりますが、急ぎの連絡はそうそうあるものでもありません。
余計な邪魔が入らなくなるので、集中を維持しながら快適に鑑賞できるようになります。
鑑賞中は、マナーモードや機内モードなど、音が出ない設定にしておきましょう。
美術鑑賞で大切なのは「いかに集中できるか」です。
集中できるにつれて、鑑賞の満足度も上がります。
自分のためにも、周りのお客さんのためにも、スマホの設定は大切なのです。
家族や友人と美術館に足を運ぶことがあるでしょう。
1人で鑑賞するのもいいですが、親しい人と一緒に美術鑑賞するのもいいものです。
そんなとき注意したいのは「話し声」です。
ときどき鑑賞をしながら、騒いでいる人がいます。
「きれいな絵だね。見応えがあるね」
「すごい迫力だね。制作に時間がかかっていそうだね」
「これは何だろう? どんな意味があるんだろうね?」
いろいろな声が聞こえてきます。
友人同士で感想を言い合っているグループを目にすることもあります。
美術館では、私語は禁止されていません。
鑑賞中の会話は認められています。
だからといって、大きな声で会話をするのはマナー違反です
美術館は、雰囲気を大切にしている場所です。
静寂な空間が広がっていて、上品で落ち着いた雰囲気があります。
話し声が目立つと、ほかのお客さんの迷惑になります。
小声でも気になる人はいます。
音に敏感なお客さんは少なくありません。
美術館では「鑑賞中はお静かにお願いします」というマナーの看板が掲げられています。
そのため人と一緒に鑑賞する際は、できるだけ会話は控えるのがいいでしょう。
複数人で鑑賞するときは、声のボリュームに十分注意しましょう。
もちろん笑い声にも注意したい。
美術館では、静かに鑑賞するのがマナーです。
必要があって会話をするときは、小声で最小限に抑えることが大切です。
友人と感想を語り合うなら、ミュージアムカフェや、美術館の外に出てからたっぷり楽しむのがベストです。
美術館では、撮影OKと撮影禁止の作品が混在していることがあります。
展示エリアで分かれていることもあれば、同じ展示エリアでも、作品ごとに撮影OKと禁止が分かれていることもあります。
撮影OKの作品は、もちろん撮影ができます。
撮影する際は、周りに注意するようにしましょう。
ただし、フラッシュはオフにするのがマナーです。
突然強い光が発生すると、普通に見ている人の迷惑になります。
撮影前にはきちんとオフになっていることを確認しておきましょう。
一方、撮影禁止の作品は、当然ながら撮影はできません。
作品の一部でも撮影は厳禁です。
スタッフや学芸員に交渉してどうにかなる話でもないので、撮影禁止のマークがあれば、素直に従うことが大切です。
さて、注意したいのは「うっかり」が起こるケースです。
ぼんやりしていると、撮影禁止のマークを見落としてしまい、スタッフから注意を受けることがあります。
不注意で撮影してしまったときは、すぐ削除しましょう。
また、後ろに下がって作品全体を撮影するときも注意が必要です。
引いた位置から撮影しようとすると、隣にある撮影禁止の作品がカメラの視野に入ります。
引いた位置から作品全体を撮るのはいいのですが、カメラの視野には気を配り、撮影OKの作品だけを撮るようにしましょう。
後方に下がって撮影するときは、周囲の人とぶつからないように注意することも大切です。
作品を撮るときは、1作品ごとに撮影マークを確認するようにしましょう。
一つひとつチェックする癖をつけておくことです。
手間に感じるかもしれませんが、不注意を防ぐためにはいちばん確実です。
撮影していいのかはっきりわからない場合は、そばにいるスタッフに声をかけて、確認を取りましょう。
親切に教えてもらえます。
聞くことは恥ずかしいことではありません。
「たぶん大丈夫だろう」という曖昧な判断をするのではなく、きちんと確認を取ることが大切です。
美術館での美術鑑賞に欠かせないのは、キャプションです。
美術品の脇にあって、作品名・制作年・制作意図など詳しい情報が記載されています。
美術品だけではどんな内容の作品なのか把握できないことがあります。
キャプションを確認することで、作品の理解が深まり、美術鑑賞の一助となります。
美術品と同じくらいキャプションをしっかりチェックしている人も多いのではないでしょうか。
もちろんキャプションを見るのはいいのですが、ここでありがちな残念パターンがあります。
キャプションばかり見て、肝心の美術鑑賞がおろそかになってしまうことです。
じっくりキャプションをチェックするのはいいのですが、そこで満足をする人が多い。
「ふむふむ。なるほど。よし、次の作品!」
美術品を見るとしても、ちらっと見る程度です。
解説を読み終わると、それで満足してしまい、肝心の美術鑑賞がおろそかになってしまう人が少なくありません。
これではキャプションを読むために美術館に足を運んでいるようなものです。
キャプションばかり読んでいると、何のために美術館に足を運んだのかわからなくなります。
美術品を見る時間より、キャプションを見る時間のほうが長くなっていませんか。
心当たりがある人は要改善です。
解説の分量が多いと読むのに時間もかかりますが、だからといってあまり時間をかけすぎないことです。
美術館に足を運んだ第一の目的は、美術鑑賞です。
できるだけキャプションより美術品を見る時間を長くすることです。
見つめるように鑑賞して、しっかり網膜に焼き付け、じっくり作品を味わいましょう。
正面だけでなく、別の角度からも鑑賞を楽しみたい。
鑑賞に力を入れるのは、キャプションではなく美術品です。
美術鑑賞に力を入れてこそ、美術館に足を運んだ意味があるのです。
美術館では、どのように美術鑑賞をしていけばいいのでしょうか。
もちろん鑑賞法に決まりがあるわけではありません。
個人が自由に鑑賞すればいいのですが、基本の鑑賞ステップがあります。
次の3ステップを踏むことで、誰でもスムーズに美術鑑賞を楽しんでいけます。
まず作品を鑑賞します。
キャプションは見ないで、まず作品鑑賞から入るのがポイントです。
ぱっと全体を見て、作品の第一印象を楽しみましょう。
数歩後ろに下がって、少し引いた位置から作品全体を鑑賞します。
色使い、構図、造形、デザインなど、受ける印象があるはずです。
目に焼き付けるように、じっくり鑑賞に集中しましょう。
テーマ、シチュエーション、メッセージ性、背後にあるストーリーなどにも意識を向けながら鑑賞します。
全体を見たら、次はマクロの目からミクロの目に切り替えます。
作品の細部にも目を向けて、気になるところに注目しましょう。
作品を鑑賞したら、次にキャプションを確認します。
音声ガイドを持っているなら、この時点でスイッチを入れます。
作家名・作品名・制作年などの作品データをチェックして、詳しい解説があれば目を通しましょう。
詳細を確認すれば、作品の理解が進み、鑑賞の面白さを高めてくれます。
作品によっては隠れたメッセージやユニークな誕生ストーリーがあることも少なくありません。
描写の意味がわかることで納得が得られ、感動も増えます。
キャプションを読み終わって内容を理解したら、もう一度作品を眺めます。
キャプションを読んでから鑑賞すると、最初に作品を見たときとは違った印象を受けるでしょう。
しみじみと深く感じられ、より深くまで味わえるようになります。
じっくり鑑賞すれば完了となり、余韻に浸りながら次の作品に進みます。
あなたはある日、美術館へ訪れた。
たくさんの絵が飾られている。
数多くの作品があって、すべてを鑑賞するのに時間がかかりそう。
そんなとき、あなたはまずどうしますか。
ぼうっと絵を眺めますか。
それとも一つひとつの絵を丁寧に見ますか。
お気に入りの絵を1つ見つければいいのです。
美術鑑賞を楽しむためには、お気に入りを1つ見つけることが大切です。
すべてを丁寧にじっくり見ていくのもいいですが、時間も体力も必要です。
私たちの集中力には限りがあります。
途中で集中力が切れてしまう可能性もゼロではありません。
だからこそ、選択と集中です。
「これは素晴らしい! 私の好みにぴったり!」というお気に入りの絵を1つ見つけるだけでいいのです。
1つ見つければ、その絵を集中的に鑑賞します。
説明もしっかり読んで、誰の作品なのか、いつ制作された作品か、どのような内容なのかを楽しみます。
説明を読んで、一呼吸してから、もう一度絵を鑑賞します。
すると、お気に入りだった絵が、さらに素晴らしく見えてきて、ますます好きになれます。
これが味わい深くなる鑑賞です。
たくさんの絵が、すべてあなたの好みに合うわけではありません。
好みに合うものもあれば、そうでないものもあり、さまざまです。
1つでいいですから、自分の好みに合った作品を見つけて、集中的に鑑賞すればいいのです。
お気に入りの作品を1つ見つけて、しっかり鑑賞を楽しめば、それで十分です。
美術館での絵画鑑賞の時間が、より豊かになります。
1つのお気に入りを見つけることで、鑑賞の時間が濃くなるのです。
美術館は、体力が必要です。
足も疲れ、時間もかかります。
入館料も支払い、わざわざ美術館まで足を運んでいることもあります。
そうしたことから、すべての作品をじっくり楽しもうと考える人が多いのではないでしょうか。
「すべての作品を全力で鑑賞しなければいけない」と考える人は少なくありません。
しかし、それは必ずしも最善とは言えません。
体力も集中力も限られています。
すべての作品を全力で鑑賞するとなると、時間も体力もかかすぎます。
すべての作品をじっくり鑑賞しようと思わないことです。
大切なことは「ぴんときたものだけ、時間をかけてじっくり鑑賞する」ということです。
鑑賞にメリハリをつけることが大切です。
基本はさらっと鑑賞します。
一つひとつの作品鑑賞に時間をかけすぎないよう、テンポの良い鑑賞を心がけます。
そんななか、ときどきぴんとくる作品と出会います。
心がぐっと動かされたり、不思議と気になったりする作品です。
ぴんときた作品は、時間をかけてじっくり鑑賞します。
解説もすべて読みます。
隅から隅まで鑑賞します。
近い位置からも引いた位置からも鑑賞します。
そうすることで美術鑑賞にメリハリが生まれ、印象にも記憶にも残りやすくなるのです。
時間を有効に活用できて、体力や集中力を上手に配分できるのです。
美術鑑賞が趣味という人も多いでしょう。
美術館でありがちなのは、至近距離でじろじろ見ることです。
わざわざ美術館まで足を運びました。
観覧料も支払いました。
時間とお金をかけていることもあって、思う存分しっかり鑑賞しようと意気込みます。
そうした気持ちもあってか、鼻がくっつきそうな距離から鑑賞する人がいます。
作品に顔を近づけ、じろじろ見つめ、目に焼き付けようとします。
もちろん至近距離で鑑賞するのはいいのですが「至近距離だけの鑑賞」となると、話は変わります。
どの作品も全体を見ることを前提につくられています。
至近距離では一部しか見えません。
筆遣いや絵の具といった細かな部分は確認できますが、作品の全体像がつかめなくなります。
全体を見ることを忘れている人が少なくないのです。
美術鑑賞で大切なのは「全体を見ること」です。
至近距離からの鑑賞も大切ですが、全体から見ることも忘れてはいけません。
作品全体が視界にすっぽり収まるよう、数歩後ろに下がって鑑賞しましょう。
全体を見たとき、作品の本当の姿を確認できます。
一部だけ見る印象と全体を見る印象はまったく違います。
作品の全体像がつかめて、ますます有意義な美術鑑賞を実現できます。
美術鑑賞をより深く味わうためにはどうすればいいのでしょうか。
作品リストを活用した、美術鑑賞の楽しみ方があるのでご紹介します。
美術館では、展覧会の入り口すぐのところに作品リストが置いてあります。
作品リストを手に取り、鑑賞中、ぴんときた作品に鉛筆でチェックを入れていきましょう。
全作品を一通り見終えた後、チェックを入れた作品をもう一度じっくり鑑賞するのです。
感動をもう一度楽しめます。
2回目の鑑賞となるので復習できます。
より印象深くなって記憶にも残りやすくなります。
1回目とは違った印象を受けることも少なくありません。
美術鑑賞の余韻がますます高まるのです。
チェックの入った作品リストが、思い出の品にもなります。
帰宅してから、チェックを入れた作品について調べてみるのもおすすめです。
ぴんときた作品は興味関心が向いているので、すいすい頭に入ってきます。
「なるほど、こういうことなのか」と良い勉強になり、驚きと感動を楽しめます。
キャプションや音声ガイドでも紹介されていない情報を見つけることも少なくありません。
作品の意外な裏話を発見できることもあるのです。
美術鑑賞がより面白くなる視点があります。
「家に飾るならどれにするか」という視点です。
人は、自分に関係することとなると、気持ちが入ります。
「家に飾るなら、どの部屋がいいかなあ」
「これを飾ると、部屋がエレガントになるだろうなあ」
「玄関に飾ると、美術館の入り口みたいになるね」
「この絵は応接間にちょうどいいかもしれない」
「立派な絵が飾っていれば、家にお客さんを呼ぶのが楽しみになるなあ」
「なんて魅力的な絵画なのだろう! これを部屋に飾ったら、毎日明るい気分で過ごせるに違いない」
美術鑑賞が「商品選び」のような感覚になり、飾ったときのイメージが膨らみます。
幸せなイメージが膨らむと、ついにやけてしまいます。
「家に飾るならどれにするか」という視点で、気楽に鑑賞しようではありませんか。
自分との関連性が生まれると、鑑賞力がアップするのです。
「家に飾りたい作品=自分の好きな作品」です。
「家に飾るならどれにするか」という視点で鑑賞すると、自分好みの作品を見つけやすくなります。
「なぜ私はこの作品を気に入ったのだろうか」と自問してみるのもおすすめです。
自分の意外な好みや新たな好みに気づかされることがあるのです。
見逃せない注目ポイントなのが、展覧会の出口です。
展覧会の出口ではミュージアムショップがあって、展覧会のテーマにちなんだグッズがたくさん販売されています。
Tシャツ、エコバッグ、ポストカードといった形で販売されているので、気に入った作品なら購入してみるといいでしょう。
ポストカードであれば、手頃な価格で購入できます。
好きな作品ベスト3を買ってみるのも良し。
ポストカード3枚でも、十分お手頃な価格です。
小さな額縁にポストカードを入れて飾ると、部屋の雰囲気がエレガントになります。
「家に飾るならどれにするか」という視点が、現実のものとなるのです。
展示会場に着席スペースがあるなら、チャンスです。
席が空いているなら、無理をせず座りましょう。
「まだ疲れていない」「体力は十分余裕がある」と思うかもしれませんが、油断は禁物です。
体力の消耗は、途中から加速します。
そのときはまだ余裕があって大丈夫に感じても、途中から急に疲労が襲ってくる可能性があります。
ずっと立ったままではどんどん体力が削られ、足が棒になります。
体力が切れると、集中力も切れます。
着席スペースは「体力回復のスペース」です。
きちんと最後まで集中して鑑賞するためにも、休憩できる機会は素直に利用しておくことが得策です。
着席スペースに座るメリットは、体力回復だけではありません。
着席スペースに座ると、ぐっと引いた位置から作品を鑑賞できます。
座りながら鑑賞すると、起立姿勢とは違った印象を受けることが少なくありません。
リラックスしながら鑑賞できるので、作品の新たな魅力を発見することもあります。
時には人が作品を遮ることもあるでしょう。
これはこれで悪くありません。
「作品と人との関係」というユニークな角度から鑑賞できます。
「作品を鑑賞する人々」も含めて美術鑑賞です。
座ることは、体力を回復させるだけでなく、鑑賞の楽しみを広げるためでもあるのです。
近くで鑑賞したくても、難しい場合があります。
作品によっては、床にラインが引かれていて、その外側から鑑賞することになります。
ラインの内側に入ってはいけないというルールがあります。
一般的には作品から50センチ程度ですが、作品によっては1メートル以上離れてラインが引かれていることも少なくありません。
数億円レベルの作品もあれば、歴史上1つだけの作品もあります。
弁償ができないものは、美術館としても大変な注意が必要となるところなのです。
うっかりラインの内側に入ると、すぐさま監視スタッフから声がかかるのです。
間近でじっくり鑑賞したくても、なかなか難しい場合があります。
レオナル・ド・ダビンチの名画『モナリザ』は、5メートルの距離が開けられているうえ、防弾のガラスケースに入っています。
有名作品ほど至近距離から鑑賞したいのですが、そうした有名作品に限って近寄れず、もどかしいときがあるのです。
そんなとき役立つのが「単眼鏡」です。
単眼鏡とは、片目でのぞくタイプの、コンパクトな望遠鏡です。
「双眼鏡の片目バージョン」をイメージすればわかりやすいでしょう。
片目とはいえ、れっきとした望遠鏡なので、細部まではっきり鑑賞できます。
有名作品では、細かな表現や技法が使われていることがよくあります。
単眼鏡を使えば、距離があっても、細部まで鑑賞を楽しめます。
単眼鏡を通して作品を見ることで、より奥深い美術の世界を堪能できるのです。
作品の細部までしっかり鑑賞したいなら、ぜひ用意しておくといいでしょう。
単眼鏡は数千円の価格帯なので安価に入手できます。
ネットショップで購入できるほか、美術館のミュージアムショップでも販売されていることもあります。
単眼鏡は、なくて困ることはあっても、あって困ることはありません。
興味のある方は、ぜひ購入しておくといいでしょう。
単眼鏡は「4倍」と「6倍」の2種類が一般的です。
倍率が高くなるにつれて視野が狭くなり、手ぶれの影響も大きくなります。
初心者であれば、視野が広く、手ぶれの影響が小さい4倍がおすすめです。
ただし、美術館だけでなく、旅先で仏像や建物などの鑑賞にも兼用したいなら、倍率の高いタイプのほうが汎用性があります。
どちらも美術鑑賞に適しているので、好みで選ぶといいでしょう。
作品との距離があっても、拡大して鑑賞できるのが、単眼鏡の魅力です。
鼻をくっつけているかのような感覚で楽しめるはずです。
細部まで見えると、美術の感動も倍増します。
単眼鏡は、美術鑑賞をより深く味わうためのアイテムなのです。
美術館で美術品を見るとき「美術品」だけなく「制作年」に注目してください。
制作年は、キャプションを見ればすぐわかります。
「へえ、この時代、この年代につくられたものなのか」
「古い作品」と思うだけで終わりそうですが、要チェックのポイントです。
現代アートを除けば、美術品の多くは100年以上前に制作されたものばかりです。
たとえば、印象派の芸術家による絵画は、100年以上前のものばかりです。
100年以上も経過しているにもかかわらず、色鮮やかな色彩が保たれているのは感慨深い。
レンブラントやフェルメールの作品は300年以上前の作品にもかかわらず、現代でも目を見張る美しさを放っています。
美術品によっては、300年前、500年前、もっと古くに制作された美術品も少なくありません。
作品鑑賞に余裕があれば「時間の横軸」という視点もおすすめします。
制作年をチェックしたら、日本史・世界史を思い出しながら、同時期に起こった出来事を思い出してみましょう。
フェルメールの作品『ミルクを注ぐ女』は、1657年の作品とされています。
1657年といえば、当時の日本は江戸初期に当たります。
太平の世が始まり、貨幣経済が浸透し、庶民の暮らしも安定し始めた時期です。
参勤交代で各地の大名が江戸との間を行ったり来たりして、忙しくしていた時期でもあります。
そんな時代に描かれた作品と思うと、いかに古い作品であるか実感しやすくなるでしょう。
また、違った視点が生まれ、面白おかしく楽しめるはずです。
レオナルド・ダ・ビンチの名作『モナ・リザ』は、1503年から1506年の制作とされています。
日本でいうと、戦国時代の初期に当たります。
応仁の乱の後、日本各地で下克上の風潮が高まっていく時期に描かれた作品かと思うと、不思議な感覚に包まれるでしょう。
日本が争いごとばかりしている中、レオナルド・ダ・ビンチは、美しい女性を見ながら絵を描いていたのです。
そんな大昔に制作されたものが、美しい色や形を保ったまま、現代まで生き続けているのです。
「こんな昔に制作されたものなのか!」
「当時見ていた人と同じものを見ている!」
「はるか昔の作品にもかかわらず、今でも美しいのは素晴らしい!」
医学の祖であるヒポクラテスの名言「芸術は長く、人生は短い」を実感できる瞬間です
これは絵画だけでなく、彫刻や工芸でも同じです。
自分が生まれる前のはるか古い作品にもかかわらず、今でも美しく輝き続けているのは感動に値します。
当時見ていた人と同じものを見られるのはありがたいことであり、奇跡的なことです。
古びたところはあるかもしれませんが、それこそが味わいであり、醍醐味です。
長い時間の経過を意識しながら美術品を鑑賞すると、より味わい深くなるでしょう。
美術品だけでなく、制作年にも注目すれば、感動が2倍になるのです。
作品についてわからないことがあって、近くにいるスタッフに質問する人がいます。
絵の詳しい説明を求めたり、解説の不明点を質問したりです。
美術鑑賞をしていると、ふと作品について疑問点が浮かぶものです。
作品を見ていると、もっと詳しく知りたくなります。
「ちょっとよくわからないな。詳しい意味を教えてもらおう」と思い、近くにいるスタッフに質問します。
もちろん質問するのはいいのですが、ありがちなことがあります。
作品について詳しい説明を求めると、十中八九「わかりかねます」という返事が返ってくるはずです。
なぜスタッフに質問しても、きちんと答えてもらえないことが多いのか。
展示エリアにいるスタッフは、たいてい学芸員ではないからです。
展示エリアにいるスタッフを学芸員と思っている人がいますが、ほとんどの場合、そうではありません。
普通の監視スタッフであり、美術に詳しい人とは限りません。
美術学校に通ったことがない人もいます。
そもそも美術史の知識がない人であるケースも珍しくありません。
そのため作品について質問すると、きちんとした回答が得られないケースがほとんどになるのです。
スタッフに聞いて答えられなくても、それはそれで仕方ないことです。
「学芸員なのに知らないの?」と思っているなら、そもそも勘違いです。
きちんと答えてもらえたら、ラッキーと思うくらいがいいでしょう。
質問するのは自由ですが、答えられなくてもむっとしないことが大切です。
スタッフに質問するなら、写真撮影は可能かどうか、お手洗いの場所はどこか、といった基本的なことがいいでしょう。
作品について詳しく知りたいときは、自分で調べるのが基本です。
美術館によっては無料のガイドツアーが開催されていることもあります。
ガイドツアーは学芸員が担当するので、どんな質問にも詳しく答えてもらえるでしょう。
学芸員は「博物館法」という法令で定められた仕事であり、その道のプロフェッショナルです。
知りたいことや質問したいことが多いときは、ガイドツアーの開催日に足を運ぶのも1つ方法です。
「この画家についてもっと深く知りたい」
「この作品についてもっと深く知りたい」
美術鑑賞をしていると、興味をひかれる画家や作品を見つけることがあるでしょう。
キャプションに説明は書かれていますが、さらに深く知りたいこともあるはずです。
そんなときは、あとから深く調べてみましょう。
書店で本を買ってみるのも良し。
インターネットの百科事典サイトで調べてみるのも良し。
興味が湧いているときは、知識も入ってきやすい。
興味を持って調べたことは「覚えやすくて忘れにくい」という特徴があります。
作者の意外な境遇を知ることも少なくありません。
興味の火がついているときに調べると、一気に勉強できて、美術への造詣を深められるのです。
なかにはその場で知りたい場合もあるでしょう。
気になって仕方ないこともあるはずです。
マナーの点で言えば、鑑賞後に調べるのが好ましいのですが、一瞬でチェックできることなら、その場で確認するのも許容範囲です。
ただし、作品の前で調べると周りの鑑賞の妨げとなるので、場所を移動しましょう。
館内にある休憩スペースで調べるのがおすすめです。
用意されていない場合は、鑑賞が終わってから調べるのがマナーです。
忘れがちなのは「常設展」です。
常設展とは、期間を設けず、いつでも見られる展示のことをいいます。
「企画展にはよく行くけど、常設展はほとんど行かない」という人も多いのではないでしょうか。
「常設展には一度も行ったことがない」という人もいるかもしれません。
それはもったいないことです。
常設展は企画展に比べ、地味なイメージがあるかもしれません。
企画展は大々的に告知され、多くの人でにぎわいますが、常設展の告知はいつも展示されていることもあり、あまり目立ちません。
もちろん企画展もいいのですが、常設展にも目を向けてみましょう。
期限やテーマを設けている企画展に対して、常設展は期限がありません。
常設展は、美術館所蔵の作品を鑑賞できます。
美術館が買い取った作品なので、その美術館の特色やこだわりが感じられます。
常設展こそ美術館の「核」に当たりますから、鑑賞価値は十分あるのです。
企画展は一期一会ですが、常設展は期間が設けられていないため、いつでも鑑賞ができます。
常設展は、企画展に比べて安価に鑑賞できることもメリットです。
企画展に比べると人は少なく、ほとんど混雑もないので、快適に鑑賞できるでしょう。
もちろん音声ガイドも要チェックです。
常設展とはいえ、世界的に有名芸術家の作品を鑑賞できることもあります。
数千万円クラスの作品はざらにあり、中には数億円クラスの作品と出会えることもあります。
ゴッホ、セザンヌ、ルノワールといった、世界的巨匠の絵画を所蔵している美術館もあります。
今まで企画展しかチェックしていなかったのなら、一度常設展にも足を運んでみてはいかがでしょうか。
常設展を通して美術館の特色やこだわりを知ることも、楽しい美術鑑賞です。
常設展や企画展では、ガイドツアーが開催されていることがあります。
ガイドツアーでは学芸員が担当し、それぞれの作品について詳しく解説してくれます。
参加費は、入館料のみで、無料が一般的です。
主要な作品について詳しい解説を聞きながら鑑賞を堪能できます。
うっかり重要な作品を見逃す心配もありません。
学芸員は「博物館法」という法令で定められた仕事であり、その道のプロフェッショナルです。
細かい質問をしても、熟知した学芸員なので、その場できちんと答えてもらえることも魅力です。
美術に詳しい人も、そうでない人も、ガイドツアーはおすすめです。
都合がつくなら、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
普通の美術鑑賞もいいですが、ガイドツアーに参加しながら鑑賞を楽しむのも素晴らしい。
詳しい開催日時は、ウェブサイトをチェックしてみてください。
ガイドツアーによっては、予約制になっていることもあります。
人気のガイドツアーは、予約があっという間に埋まることもあります。
気になる方は、早めに予約を入れておくといいでしょう。
学芸員から直接解説を聞けるのは、大きなチャンスといえます。
ガイドツアーを利用すれば、入館料以上の楽しみを満喫できるのです。
美術の楽しみを増やす、2つの視点があります。
「このエリアでいちばん気に入った作品はどれか」「今回の美術展でいちばん気に入った作品はどれか」です。
美術展では、エリアに分かれています。
それぞれのエリアが終わったら「このエリアでいちばん気に入った作品はどれか」と自分に問いかけてみましょう。
「振り返る」という行為は「印象・記憶に残る」という工夫につながります。
美術鑑賞の良い区切りにもなっておすすめです。
2つ目の視点は「本展のマイベスト3はどれか」です。
すべての作品を鑑賞し終えたら、全作品を振り返り、マイベスト3を考えてみましょう。
もちろん完全に自分の好みでOK。
マイベスト3が決まったら、なぜ気に入ったのか、自己分析をしてみるといいでしょう。
興味を持つ作品の傾向がわかったり、自分の好みを再確認できたりして、美術鑑賞の余韻が良くなります。
「明るい作品が好み」「謎めいた作品が好み」など、客観的に自分の好みを把握するのも面白い。
時には思いも寄らない好みを発見できて、自分でも驚かされることがあるかもしれません。
ミュージアムショップで、好きな作品ベスト3のポストカードを買うのも良し。
ミュージアムカフェで飲食を楽しみながら振り返るのもおすすめです。
家族や友人と一緒に出かけたなら、帰り道でお互いのマイベスト3を発表し合ってみるといいでしょう。
お互いの好みや価値観がわかって、会話がわいわい盛り上がるのです。
美術展は、作品を鑑賞して終わりではありません。
美術展の最後にあるのは、ミュージアムショップです。
たいてい出口付近にあって、その企画展の関連グッズがずらりと並んでいます。
図録をはじめ、ハンカチ、Tシャツ、ポストカード、クリアファイル、文房具、エコバッグ、菓子類など。
手頃なものから高価なものまで、さまざまな関連グッズが販売されています。
時には展示品のリアルなレプリカも販売されていることもあって驚かされます。
気に入ったグッズが見つかったら、迷わず買うのがおすすめです。
すべて限定品で、基本的にそこだけでしか買えません。
すべては、数量限定・期間限定のグッズです。
あとから「買っておくべきだった」と思っても、手遅れになることが少なくありません。
ミュージアムショップでグッズを買うと、良いお土産になります。
興味がない人もいるかもしれませんが、見るだけなら無料です。
ミュージアムショップをうろうろ見て回るだけでも、楽しい時間を過ごせます。
ミュージアムショップも、美術鑑賞の楽しみの1つなのです。
気に入った展覧会は、図録の購入がおすすめです。
図録とは、わかりやすく言うと「展覧会公式の解説付きのカタログ」です。
大きくて、分厚くて、重量もあります。
どの図録も、閲覧料と同じくらいか、それ以上の金額です。
そこそこいい値段がするので、気になっても、購入をためらう人も多いのではないでしょうか。
「一度見れば十分」「図録は不要」と考える人も少なくありません。
もちろん買う買わないは本人の自由ですが、図録には、図録ならではのメリットが3つあります。
図録は、あとから何度でも鑑賞できるのがメリットです。
美術館での美術鑑賞は体力を消耗します。
序盤はしっかり集中しながら鑑賞できても、終盤になると疲れが出てきて集中力が切れることも多い。
一つひとつじっくり楽しみたいときはなおさらです。
図録を買っておけば、自宅で何度でも鑑賞できます。
一つひとつの作品について詳しい解説も書かれているので、じっくり勉強できます。
自宅でゆっくり鑑賞できるのは大きなメリットといえるでしょう。
飲み物を飲みながら鑑賞を楽しむこともできるのです。
美術館での鑑賞は、本人が直接行くしかありませんが、図録であれば、自宅の家族でも鑑賞ができます。
都合で足を運べなくても、図録があれば、じっくり楽しめます。
「私的利用」に限りますが、図録で気に入った絵画をカラーコピーして、部屋に飾ることも可能です。
額縁に入れて部屋に飾れば、見栄えがさらにアップします。
また図録という形であれば、友人に貸すこともできます。
美術に興味のある友人であれば、喜んでくれるでしょう。
展覧会によっては、前期・後期で開かれることもあります。
会期が複数ある場合、一部展示の入れ替えがあるのが一般的です。
前期にはなくて後期にある作品もあったり、前期にはあって後期にはない作品もあったりです。
それぞれ行くのがベストですが、時間の都合で厳しいこともあるでしょう。
図録であれば、両方の作品が収録されているのでじっくり鑑賞できるのです。
図録はそこそこいい値段ですが、上記のメリットを考慮すれば高いとは言えないでしょう。
むしろ安いと考えることもできるはずです。
図録は、会期中のみの販売だったり開催会場のみでの販売だったりします。
図録そのものが、思い出の品にもなる点も見逃せません。
「限定商品」と思えば、そこそこの値段にも納得できるのではないでしょうか。
気に入った展覧会は、図録の購入がおすすめなのです。
美術鑑賞は、1回で十分とは限りません。
「感動した。素晴らしい展覧会だった。もう一度鑑賞しに行きたい」と思うことがあるかもしれません。
そんなときは、もう一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
2回目の鑑賞となりますが、もちろん「あり」です。
新作映画の場合、気に入った作品は何度も映画館に足を運んで鑑賞することがありますが、それと同じことです。
2回目は、すでに前提知識があります。
1回目とは違った視点から鑑賞ができたり、新たな気づきや発見があったりして、より奥深い鑑賞ができるようになります。
鑑賞の開始早々「そうそう、これこれ!」が止まりません。
映画鑑賞の場合、2回目は1回目とは違った感動を覚えますが、それは美術鑑賞でも同じことがいえます。
1回目ではわからなかったポイントに気づくことは少なくありません。
展覧会の魅力を、たっぷり味わい尽くすことになるのです。
1回目の鑑賞が1人だったなら、2回目の鑑賞は、家族・友人・恋人を連れて足を運ぶのもいいでしょう。
感動を共有できたり、思い出づくりになったりします。
1回目の半券があれば、2回目以降の入館料が割引になる場合もあるのでチェックしてみてください。
美術鑑賞は、体験消費の1つ。
気に入った展覧会があれば、ぜひ2回目の鑑賞に足を運んでみましょう。
展覧会の期間は限られているので「善は急げ」です。
素晴らしい展覧会は、何度も鑑賞する価値があります。
むしろ2回目以降が本番と言っても過言ではありません。
何度も鑑賞するのも、粋な楽しみ方です。