社会で仕事をしているある日、収入や売上の激減に直面することがあります。
会社員あるいは事業者として、経済的に厳しい状況に直面することがあります。
自分の責任ということもあれば、気候変動や自然災害といった不可抗力もあります。
どうしようもない経済の浮き沈みに悩まされることもあるでしょう。
収入や売上が、3分の2・2分の1になるなど悲惨な状況があります。
10分の1という壊滅的な状況もあるかもしれません。
「これでは生活できない。生きていけない。自分が情けない」
首をぎゅっと締め付けられ、息苦しさを感じます。
生きているのに生きた心地がしません。
昼間なのに、目の前は真っ暗のように感じます。
収入や売上が落ち込むと落ちぶれた感覚があり、情けない気持ちをこれでもかと言うほど味わいます。
自分の価値まで落ちたような錯覚を覚え、ますます落ち込んでいくのです。
落ち込むのは原因があります。
一番稼いでいたころと比較するから落ち込むのです。
一番いいときと比較するから「3分の2」「2分の1」という数字にショックを受けます。
「あのころはよかった」と比べては落ち込み、くよくよしてしまいます。
稼いでいた時期と比べれば、右肩下がりが強調され落ち込むのも当然です。
ここで収入や売上が激減しても落ち込まない着眼点があります。
「ゼロベース思考」です。
初心に返って、自分の原点を思い出してください。
はるか昔を思い出してください。
新入社員のころではありません。
学生時代でもありません。
もっと昔に遡り、幼児時代を思い出してください。
やっと両足で立てるようになり、よちよち歩きをしていたころがあったはずです。
まだ幼児だったあなたは、1円も稼げなかったでしょう。
まさに経済力がゼロの状態だったはずです。
親にお小遣いをもらうことはあっても、自分で稼ぐことはなかったはずです。
そんなあなたは今、ずいぶん立派に成長しました。
知識やスキルを身につけ、社会の役に立つ人材になり、自分の力でお金を稼げるようになりました。
収入が激減しても、経済力がゼロだったころと比べれば、しっかり稼いでいるはずです。
たとえ収入が10分の1であっても、経済力がゼロだったころと比べれば、立派に稼いでいるとわかるはずです。
どれだけ収入や売上が減ったとしても、1円でも稼いでいるなら「お金を稼げる私は素晴らしい」と誇らしく思ってください。
最も稼いでいた時期と比較しないでください。
経済力がゼロだった時期と比較するのです。
すべての人は、経済力がゼロから始まります。
これが「ゼロベース思考で考える」ということです。
収入や売上が激減しても焦らないでください。
不景気や社会不安でしばらく厳しい状況が続くかもしれませんが、永遠に続くわけではないので安心してください。
収入や売上が落ちて厳しい時期は「初心に返って自分を見つめ直す磨くチャンス」と考えましょう。
自分にとって何が本当に大切なのか考える機会にしてください。
大変なときこそ、本当に大切なこととそうでないことが浮き彫りになります。
「今まで勘違いしていたね」と気づくことがあれば、心が成長します。
「これは間違っていた」と気づくことがあれば、人生の軌道修正も可能になります。
節約スキルを磨くチャンスにするのもよし。
出費を見直して、無駄があればこの機会に破棄したり解約したりしましょう。
心が弱っているときは詐欺に引っかかりやすいため、こういうときこそ一段と冷静になって行動することも大切です。
大切なことに気づくことができれば、人生のターニングポイントとなり、新しい出発が可能になります。
人生は山あり谷ありですが、収入や売上も山あり谷ありです。
稼いでいたころと比較するから、落ち込みます。
経済力ゼロのころと比較すれば、落ち込みません。
むしろ元気になれます。
初心に返って自分を見つめ直す磨く機会にして、ぜひ乗り越えてください。