ときどき初心者をばかにする人がいます。
相手は初心者で、自分のほうが上とわかった瞬間、ばかにする人がいます。
つい相手を見下した態度になりやすい。
「そんなこともできないの?」
「初心者だね。まだまだだね」
「全然なっていない」
「よく今までやってきたね」
「知識も経験も足りないね。もっと頑張らないとね」
どこか遠い目で見てしまう自分がいる。
初心者がいたとき「自分より下」と思ってしまう自分がいる。
自分のほうが上手だと、初心者を「自分より下」と見下し、ばかにするのです。
もしこうした態度や考え方があれば要注意です。
初心者だからといって、見下すのはよくありません。
ここで大切な考え方があります。
初心者は「先生」と考えてください。
なぜ先生なのか。
初心を思い出させてくれる先生だからです。
私たちは上達するにつれて初心を忘れがちです。
最初は謙虚で真面目に取り組んでいても、上達するにつれて、だんだん気持ちが緩んできます。
上達による自信が、悪いほうに走ってしまいます。
惰性が生まれると、向上心を忘れるようになり、成長が鈍化するのです。
成長が鈍化で終わればまだいいほうです。
人によっては謙虚を忘れ、傲慢になることも少なくありません。
見下した態度になったり偉そうな発言が増えたりします。
上達するのはいいのですが、傲慢になるのはよくありません。
周りから「あの人は上級者だけど、感じが悪いね」と嫌われてしまうのです。
私たちは上達するにつれて、謙虚が失われやすいため、注意が必要です。
このとき役立つのが初心者の存在です。
初心者は、忘れかけていた初心を思い出させてくれる存在です。
自分を戒めてくれる先生です。
初心者がいれば、昔の自分を思い出すことです。
「そういえば、自分も最初はこうだったな」
初心を思い出させてくれる先生と思えば、相手が初心者であっても、丁寧な接し方になるでしょう。
「たしかに難しいですよね。自分も昔は同じでしたよ」と優しく接することができるでしょう。
もちろん初心を思い出すことで謙虚な気持ちも取り戻せます。
また、副次的な成果が得られることも少なくありません。
改善の糸口がつかめたり、新しいひらめきが得られたり、成長のヒントが見つかったりです。
初心者を先生にすれば、多くのことが得られるのです。
初心者がいても、ばかにしないでください。
むしろ先生と考えましょう。
初心者が「よろしくお願いします」と言えば、あなたも「こちらこそよろしくお願いします」と言うことです。
相手が初心者であっても敬意を払うことです。
お互いに頭を下げれば、いい関係を築けます。
初心者は、初心を思い出させてくれる先生なのです。