「幽体離脱」をご存じですか。
幽体離脱とは、肉体から魂だけが抜け出す現象のことをいいます。
心霊体験の一種であり、臨死体験者の話としてよく聞かれます。
「幽体離脱なんて信じない。ありえない」と否定する人もいるでしょう。
現在のところ、幽体離脱には科学的根拠がなく証明されていません。
臨死体験をした人の証言が中心であり、真偽は不明です。
しかし、この幽体離脱の真偽は別として「幽体離脱の考え方」は、私たちにとって役立つ一面があります。
それは「自分を客観視するためのテクニック」です。
自分から思う自分は、あくまで「主観的」です。
客観的に自分を把握することが大切ですが、自分中心で考えるかぎり、なかなか客観的になるのが難しい。
あくまで自分に意識があると、つい自分軸で考えてしまいます。
客観的になろうと思っても、難しいことがあります。
「客観的になったつもり」で終わってしまうことも少なくありません。
主観的になっていると、自分によからぬ点があっても気づきにくいもの。
何とか自分を客観的に見ることはできないものか。
そんなときに役立つのが、幽体離脱です。
もちろん本物の心理体験をしろというわけではありません。
いわば、疑似の幽体離脱です。
想像でかまいません。
自分の肉体から魂が離れ、少し離れたところから、自分を眺めているところを想像してみましょう。
自分は今、どんな様子なのか。
よからぬ点や変なところはないか。
改善すべきところはないか。
幽体離脱には、自分を、他人のように見ることができる効果があります。
上手に幽体離脱をすれば、もう1人の自分を作り出せ、客観的に自分を観察できます。
自分では普通に感じていても、客観的に自分を観察することで「不自然な何か」に気づけることがあるでしょう。
たとえば、多忙の日々を送っている自分がいれば「もう少し休んだほうがいいかな」と気づけるかもしれません。
体調が悪いにもかかわらず頑張っていると「そんなに無理しなくてもいいのではないか」と思うかもしれません。
自分では「普通」と思っていても、幽体離脱によって客観的に自分を眺めると、別の姿が見えることがあります。
かっこいいと思っていた自分が、実はかっこ悪く見えるかもしれません。
結果として、生活の改善や人生の軌道修正に生かせるのです。
想像の世界でかまいません。
自分を客観視するためのテクニックとして、たまには幽体離脱をしてみてください。
堅苦しく考えず、遊び心で取り組んでみましょう。
「週に1回の幽体離脱」という趣味があっても面白いでしょう。
抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、人生を楽しむためのユニークな視点として取り入れてみる価値はあるでしょう。
友人から「どうしてぼうっとしているの?」と聞かれたら、こう答えましょう。
「ちょっと幽体離脱をしていたところ」と。