喧嘩をしやすい人にある共通点は「正しい、間違っていることにこだわっている」ということです。
何が一番正しく、何が間違っているのかという考えにとても強い執着を持っています。
「もっと知りたい、詳しくなりたい」という気持ちは、向上心の表れとも言え、悪いことではないですが、執着しすぎは逆効果です。
「正しい、間違っている」に神経をとがらせていると、間違った答えを言う人に対して無意識的に軽蔑してしまう傾向があります。
「そんなことも知らないの」
「何を言っているの。頭が悪いんじゃない」
「それくらいわかるでしょ」
このように見下した偉そうな態度になってしまうのです。
正しいことを見つけることが悪いことではなく、自分の考えが一番正しいと思うことがいけないのです。
自分が一番と思った瞬間から軽蔑が始まり、エゴを張って偉そうになります。
間違っていることに対しては、侮辱するような態度を取っています。
私は以前サイトのお客さまから、考え方についてしつこく迫られたことがあり、大変に困ったことがありました。
「私はこう思います。
あなたは間違っています。
残念ながらこちらのほうが正しい真実のようです」。
という自信満々のお便りでした。
受け取った瞬間から私は直感的に「正しいことと間違っていることを区別しようとしているな」と感じました。
何が正しくて、何が間違っているのかという白黒をはっきりさせたい人に見られる特徴です。
自分が強く信じている考え方だけにそれに反する考えに触れると、鉄をも溶かしてしまうほど熱くなってしまうのです。
そのため何とか相手をねじ伏せて、自分の答えに染まらせようと説得します。
訪問販売なみの強力な推しの強さです。
そうすることで自分の正当性を主張し、自分の生き方は間違っていないという再確認をしようとしているのです。
この規模を大きくしたのが宗教戦争です。
一番正しい答えを求め、言い争いになると、簡単に喧嘩へと発展してしまうのです。
私は自分の考えを返答しましたが、案の定、相手は相手なりの答えを出してきて、私を何とか納得させようとしていました。
私は困りました。
「答えは無限にあり、正解は1つもない」のに、一番正しい答えを見つけようとしている時点で底なし地獄にはまっているからです。
まったくラチのあかない会話の展開です。
必死になっているのは、時間とエネルギーの無駄な抵抗なのです。
「何が正しいのか、何が間違っているのか」ということに執着しすぎていると、喧嘩をしやすくなってしまう体質になります。
「正しい」「間違っている」には、あまり執着しないようにしましょう。
結局すべてが答えであって、答えは無限にあるのです。