年上の人でも、できるかぎり年下の人には命令形を使わないコミュニケーションを心がけましょう。
そのほうが結果としてみんなと仲良くなることができ、嫌われることも喧嘩が起こることもありません。
年上の人が偉そうに命令形の言葉を使うのは、簡単なことです。
人一倍長く生きているからとはいえ、たしかにほかの人より知識や知恵はあります。
教えたいことや言いたいことがあるときに、年上の人はつい命令形の言葉を使ってしまいがちです。
「~しなさい」
「~しろ」
「~をやれ」
「~くらいできるだろ」
年上だからとはいえ偉そうにふんぞり返り、命令形での言葉でコミュニケーションを交わすのは上下差を生み出します。
結果として本当のコミュニケーションができなくなります。
上下差が生まれた時点で、年下の人は言いたいことが言えず、年上の人は年下の気持ちもわからず、噛み合わない会話になるのです。
実際に私も偉そうな言葉遣いをする上司に巡り合ったことがあります。
偉そうな言葉を使うため、部下である私は言いたいことが言えません。
そのため私の気持ちを知らない上司は、命令形の言葉でとんでもない要求をしたり押し付けたりします。
私は嫌な気持ちになりながら、従わなければならない状況で、上司と部下との心の距離はどんどん離れていました。
まったくもって噛み合わないコミュニケーションで、ため息ばかりでした。
こんな経験から、後に私が上司となったときには、自分の部下に対してでも命令形の言葉は決して使わないことにしています。
ふんぞり返れば、以前の自分がそうであったように、よい印象を持ってはもらえません。
無理やり強制して押し付けたところで、相手は嫌な気持ちで仕事をすることになってしまいます。
私がお願いをするときには命令形の「~しろ」ではなく「お願いします」を使うようにしています。
「掃除をしろ」→「掃除をお願いします」
「コピーを取れ」→「コピーをお願いします」
「調べておけ」→「調べておいてください。お願いします」
とげのある命令形は「お願いします」に言い換えることができます。
ほかの人より知識や知恵があるからこそふんぞり返らず、逆に謙虚になって腰を低くしておくのです。
年齢として差があっても、お互い同じ目線で話し合えます。
痛みや大変さがわかっている人は、ほかの人にも優しくできます。
喧嘩は、人間関係のトラブルから発生します。
人間関係の改善方法が、喧嘩を減らす方法にもなります。