自分が一番だという考えを「エゴ」と言います。
「自分が一番強い」
「自分が一番頭がいい」
「自分が一番正しい」
「自分が一番かっこいい」
「自分が一番美しい」
このように「自分が一番」という考えは一見幸せそうに聞こえますが、トラブルを起こしやすい原因の1つになります。
自分が一番だと思っているため、それ以上の存在が現れると、すぐ目くじらを立てます。
新入社員で自分よりかっこいい人やかわいい人が入ってくると、無意識的に敵対心を抱いてしまいます。
「あの人のほうがかっこいい。あの人のほうがかわいい。自分は負けている」
つい自分と他人を比べてしまい、妬み、恨みが生まれます。
かっこいい人やかわいい人がいけないことをしているのではなく、自分が一番だと思っていることに根本的な原因があるのです。
いらいらしたり、妬んだりするのは、外側にあることが原因なのではなく、内側にあるエゴを持った心に原因があります。
たしかに一番ということは、素晴らしい響きを持っています。
よい成績や、美しくなることは悪いことではありません。
しかし、一番と思った時点で、ほかは大したことはないという「見下した考え方」が生まれてしまう危険な考え方なのです。
それは言葉遣いだけでなく、態度にまで表れます。
あなたの周りにも、言葉遣いが悪い人がいるのではないでしょうか。
言葉遣いが悪い人に限って、態度も悪いですよね。
それは態度より、言葉より、それらを生み出している「自分が一番だ」というエゴを持った心に原因があるのです。
言葉も態度も、心の中にあるエゴから発生しているのです。
親や先生たちは「言葉遣いを直しなさい」とか「態度を直しなさい」と叱ります。
しかし、実際、こういう叱り方では効果がありません。
一時的に直っても、時間が経てば元に戻ってしまいます。
それらは目の前の「結果」だけを直しているだけであって、本当の根本的な「原因」を正さないかぎり、再発してしまうのです。
「自分が一番」というエゴを持った心をなくさないかぎり、周りの人への謙虚な態度もなく、言葉遣いも見下した言い方になります。
当然に態度も悪くなり、悪いことだらけのオンパレードになります。
自分が一番だと考えるのはやめることです。
エゴをなくしましょう。
これだけでも日常生活において、自分の精神状態は落ち着きを取り戻せます。
何しろ自分が一番という考えをやめる時点で、他人と比べ、強がって見せる必要もなくなるのです。
もちろん喧嘩そのものもなくなります。
自分一人で一番を目指すのではなく、みんなで一緒に一番を目指していくほうが豊かな考え方なのです。