やりたい役もあれば、やりたくない役もあります。
場合によっては「複数の役を担当したい」と希望する人もいるかもしれません。
たとえば、ある1人が、書記とタイムキーパーを兼任するような状況です。
1人が2つの役を兼任すれば「アピールも倍になる」と考える人がいるかもしれませんね。
どちらも得意なら、どちらも対応して、点数を稼ぎたいと考えるでしょう。
もちろんそうした希望者がいたり、立候補者がいなかったりする状況では、1つの選択肢です。
しかし、仕方ない状況を除き、兼任は基本的におすすめしません。
1人が2つの役を兼任するのは、大きな負担です。
兼任した人は、2つの役割で精いっぱいになり、十分な発言ができなくなるでしょう。
発言が減るのは、議論の可能性を捨てることになるため、グループ全体にとってよくありません。
また、1人が複数の役を担当することで、どちらの役も中途半端になる恐れがあります。
たとえば、書記とタイムキーパーを1人が兼任すれば、メモも時間の告知も、中途半端になるかもしれません。
グループディスカッションは、グループ単位で評価されやすい特徴があります。
役割が十分に発揮できなければ、ほかのメンバーの迷惑にもなり、グループ全体の評価が下がります。
したがって、兼任を避けたほうが、グループのためになるのです。
みんなで力を合わせる意味でも、役は1人ずつ分担するのが無難です。