学校の問題では、1つの問題文につき、答えも1つが基本です。
そうした名残があるためでしょうか。
「肌トラブルの原因を突き止める」
そう聞いたときに思い浮かべる原因の数も「1つ」というイメージがあります。
もちろん原因が1つの場合もありますが、そうでない場合もあります。
たとえば、にきびです。
にきびは、病気です。
何らかの原因があります。
自分の肌に起きたことですから、心当たりを思い浮かべて、原因を探ろうとします。
ただし、にきびとはいえ、さまざまな複数の原因が同時に絡んでいることがあります。
洗顔料の種類、洗顔のタイミング、季節の変化、洗顔方法、睡眠不足、ストレス、食生活の乱れ、ホルモンバランスの乱れ。
どれもにきびの原因になります。
「なかなかにきびが治らない」という人は、いくつかの原因が同時に絡んでいる証拠です。
「睡眠不足が悪いのだろう」「食生活が悪いのだろう」と思い、原因を1つに絞ってしまいがちです。
もし複数の要因が原因なら、1つを解決しても、治りません。
「原因は1つに違いない」という先入観が、問題解決を難航させているのです。
名探偵は、完全に問題がすっきり解決するまで、気を緩めません。
一見、解決したように見えても、不自然な点が残っていれば「実はまだ何かあるのではないか」と考えます。
その発想が大切です。
「原因は1つに違いない」という、先入観はありませんか。
必ずしも原因は1つとは限りません。
「なかなか治らないなあ」と思ったら、トラブルの原因は、いくつかあるのではないかと疑うことが大切です。