コラーゲンといえば、肌の弾力の元になるタンパク質です。
真皮のおよそ70パーセントを占めています。
真皮の中にびっしり網目状に張り巡らされ、弾力のもとになっているのです。
美容に関心のある人にとって、コラーゲンほど美しい響きはないでしょう。
ただしコラーゲンは、年を重ねるごとに低下していく性質があります。
繊維芽細胞という細胞が、コラーゲンを生成しています。
繊維芽細胞は、加齢によって活動が弱くなるため、肌のコラーゲンの量も少なくなるのです。
ある程度、年を重ねれば、肌の弾力がなくなり、しわやたるみができてしまいます。
若々しい肌の維持には、コラーゲンが必須なのです。
数ある化粧品の中には「コラーゲン配合」とうたったものがあります。
肌に対する知識がある人なら、ぴんとくるキーワードです。
「コラーゲンが配合された化粧品を使えば、失われたコラーゲンを補えるのではないか」
そう考えてしまうのです。
しかし、これこそ、コラーゲンの代表的な勘違いの1つです。
コラーゲンを塗っても、直接、肌のコラーゲンになることはありません。
コラーゲンがあるのは、角質層より下の真皮という部分です。
外からコラーゲンを与えても、実際のところ、角質層で遮られてしまい、コラーゲンのある真皮まで到達できないのです。
最新のナノテクノロジーという科学技術によって、成分の分子を小さくしたものも登場していますが、それでも意味はありません。
仮に真皮までコラーゲンが届いたとしても、そもそも真皮には、外部から与えられたコラーゲンを取り込む機能はないからです。
真皮のコラーゲンは、網目上になっています。
外から入ってきた成分が、コラーゲンの網目の一部として再構成されることは、現実的にはあり得ません。
コラーゲンは、食べても塗っても、直接肌のコラーゲンの一部になることはないのです。
「でも、コラーゲン配合の化粧品を使うと、実際、肌に弾力がよみがえったことがある」
もし弾力が戻ったなら、コラーゲンが再構成されたからではなく「保湿効果」のおかげです。
コラーゲンには、保湿作用があります。
保湿作用によって、肌の水分量が増えた結果、弾力がよみがえったように感じるのです。