私が思春期を振り返り、やり直したいことが1つあります。
「にきびができたとき、素直に病院に行くべきだった」ということです。
私は若いころ、にきびにひどく悩まされた人間の1人です。
市販のにきび薬を試したり、にきび改善に関するあらゆる記事を読んだりして、自分の力で何とかしようとしました。
しかし、これがいけなかった。
あれこれと知識を吸収して実践するのはよかったのですが、当時の私は「試す状態」になっていました。
理科の実験のようなものです。
AとBのにきび薬があるとすれば、両方使って、より効果があるものを試す。
食事の偏りと、睡眠不足のどちらのほうに悪影響があるのか。
ビタミンBをたっぷり取ると、どのくらい効果があるのか。
私は、そういう理科の実験のようなことが好きでした。
本来は、すべての改善点を心がければいいのですが、効果の効き目を測定するために、改善点を1つずつ実験していたのです。
どこからか「レモンパックがにきびに効く」という記事を目にして、さっそく試してみたことがあります。
レモンは強い酸性のため、余計に肌を傷める結果に終わりました。
うまくいったこともありましたが、うまくいかなかったことのほうが多かった。
それもそうです。
にきびの多くは、いくつかの原因が重なり合うことで、発症します。
1つを改善するだけでは、きれいに治るはずがありません。
私は若さゆえに、変な勢いがあったり、プライドがあったり、盲目になっていたりしていました。
にきびも悪かったですが、そうした私の考えも悪かったのです。
当時の私の反省点です。
あれこれ試すうちに、にきびはよくなったり、悪くなったりという波が続きました。
改善と悪化の波のような繰り返しを、何十回、何百回と、繰り返しました。
しばらくすると、ついに、にきび跡を残してしまったのです。
最終的には皮膚科に受診することになりましたが、かなり手遅れになってからの状態でした。
「ああ。もう自分の力では無理だ」と思ったとき、ようやく重い腰を上げたのです。
今になって思えば、にきびを悪化させる一番の原因は、プライドでした。
「誰かに頼ったら負け」であるような気がしました。
「絶対に自分の力で何とかしてやる」という意気込みは、手遅れに加担することもあります。
今の私が過去に戻れるなら「変なプライドは捨てて、皮膚科の先生に見てもらえ!」と言って、顔を叩くでしょう。
当時の私が素直に皮膚科の病院に行けば、状況が少しは変わっていたのではないかと思ったのです。