「睡眠不足が続くと、目の下のくまが取れなくなる」
そんな逸話を聞いたことはありませんか。
睡眠不足になると、目の下に青色のくまができますが、できたとしても一時的です。
「取れなくなるなんて、嘘だろう」
単なる脅しに思えますが、あながち嘘ではありません。
医学的にも、あり得る話なのです。
どういうメカニズムなのでしょうか。
問題は「寝不足」そのものより「手の動き」にあります。
たとえば、寝不足のときを思い出しましょう。
「眠いなあ」
眠いとき、どうしますか。
おそらく寝不足は目が重いので、目に手を当てて、こすろうとするのではないでしょうか。
目をこすると、目の周りの血流が増加するので、眠気が緩和されやすくなるのです。
目の下の血液循環がよくなれば、多少は目の下の青色のくまも緩和されることでしょう。
しかし、この何気ない癖がよくないのです。
目の下の皮膚は、薄いのが特徴です。
睡眠不足が続くと、自然と目をこする回数も増えます。
その結果、目の下をこすることで、メラニン色素が増えてしまい、しみになってしまうのです。
これを「摩擦黒皮症」といいます。
きついパンティーをはいていると、腰回りに消えない跡ができる現象と同じです。
強い力で圧迫によって、しみになるのです。
さて、目の下にしみができると、大変です。
しみですから、たとえ寝不足が解消されなくても、消えなくなります。
茶色のくまが、常に目の下にある状態になってしまうのです。
これが「睡眠不足が続くと、目の下のくまが取れなくなる」といわれる理由です。
まず大切なことは、目の下をこすらないことです。
眠くて目をこすりたくなりますが、ぐっと我慢です。
目の下をこすらないためにも、睡眠不足は避けるようにしましょう。
どうしても目をこすりたくなったら、温かいお湯で顔を洗うのが一番です。
温かい温度によって顔全体の血流量が増えるため、眠気が取れて、顔色もよくなるのです。