肌に弾力があるのは、コラーゲンのおかげです。
しわができる根本的原因は、コラーゲンが減ったり傷んだりすることです。
コラーゲンの力が低下すると、肌の弾力も低下して、しわもできやすくなるのです。
そこで、逆の発想があります。
肌の弾力はコラーゲンによるものだとわかれば、しわ対策にも「コラーゲン配合」を選べばいいだろうと連想するのです。
知識を生かした、鋭い着眼点ですね。
ただ残念ですが、実際のところ、高い効果は期待できないでしょう。
保湿の効果は期待できますが、根本的なしわ対策としては、少し的が外れています。
化粧品を使って、肌のコラーゲンを直接増やすのは不可能です。
化粧品で補ったコラーゲンが真皮まで到達して、コラーゲンの一部に再構成されることはありません。
コラーゲンによる保湿効果はありますが、あくまで一時的であり、弾力を根本的によみがえらせるのは難しいのです。
本当にしわ対策を考えるなら、真皮のコラーゲン量を、根本的に増やす必要があります。
そこで有効なのが「レチノール」と呼ばれる物質です。
レチノールは、ビタミンAの一種です。
レチノールは、コラーゲンやエラスチンを生み出す繊維芽細胞を活性化させる作用があります。
繊維芽細胞が活性化されれば、コラーゲンやエラスチンの生成量が増えます。
コラーゲンやエラスチンを根本的に増やすことができるため、弾力がよみがえります。
結果として、しわを消す効果が期待できるのです。
しわ対策で化粧品を選ぶなら「コラーゲン配合」より「レチノール配合」です。
ただし、レチノールは注意事項があります。
レチノールは、効果が強いぶん刺激も強いため、使う量や頻度には注意しましょう。
最初は、3日に1回程度の間隔で、少量から使い始めます。
様子を見ながら、数カ月かけて、使用量や使用頻度をだんだん上げていきましょう。