ときどき洗面所で、一生懸命ににきび洗顔料で顔を洗っている人を見かけます。
にきび洗顔料は、殺菌成分が含まれていますから、一般的な洗顔料より刺激があります。
手に洗顔料をたっぷり広げた後、顔につけるのですが、問題なのはその後です。
洗顔料を顔につけたまま、数分間、放置しているのです。
「浸している時間が長いほど、よく殺菌してくれるだろう」
「洗顔料を浸したままにしておけば、汚れも皮脂も、よく落ちるだろう」
パックのような感覚と考えているのでしょう。
つけ置き時間が長いほど、殺菌成分が浸透して、にきびに効果があると思っているのです。
にきびがひどい人ほど「アクネ菌」に対する悪い印象があります。
「これだけにきびがひどいのは、アクネ菌のせいだ。1匹残らず殺菌してやろう」
そう思って、洗顔に必要以上の力を入れてしまいやすいのです。
顔が多少ひりひりしていても「殺菌できている証拠だ」と思う。
顔を洗い流した後の顔は、やけどのように、真っ赤になっているのです。
そういう人を見ていると、昔の自分を見ているかのようです。
実は私も昔、同じことをしていたからです。
自分に経験があるのでよくわかるのですが、これはとても肌に悪いことです。
洗顔料が肌に触れる時間が長いため、肌の皮脂は取りすぎてしまい、乾燥してしまう。
角質層も剥がれ落ちすぎてしまい、未熟な肌が露出して、バリアー機能が弱くなる。
肌の新陳代謝も乱れてしまい、肌がぼろぼろ。
余計に、にきびが悪化するのです。
殺菌力があって刺激が強いからこそ、さっと洗い落とす必要があります。
アクネ菌がにきびの原因だとしても、完全殺菌はよくありません。
そもそもアクネ菌は、善玉菌です。
完全に洗い落とせば、にきびが完治するわけではありません。
アクネ菌が本当に肌からなくなれば、肌がまた荒れるのです。
にきび洗顔料を使うのはいいのですが、正しい使い方を守りましょう。