刺し身に、直接醤油をかけるのはマナー違反です。
直接醤油をかけると、必要量が調整しにくくなるからです。
マナーとしては、小皿に醤油を入れ、刺し身をつけて食べます。
また、醤油を入れた小皿にわさびを溶かすようにする人もときどき見かけます。
これはよくない食べ方です。
醤油にわさびを溶かしてしまうと、わさび本来の、刺激のある風味が損なわれます。
また、醤油に一度わさびを溶かしてしまうと、単に醤油だけで刺し身を楽しむこともできなくなってしまう欠点もあります。
そもそも「混ぜる」という行為は、和食ではあまり美しくありません。
口の中で一緒になるのはいいですが、表立って混ぜると美しさが損なわれてしまうのです。
では、どうすればいいのでしょうか。
刺し身の上に、わさびを必要な分だけ乗せます。
そのわさびを挟むように、刺し身を2つ折りにします。
その状態のまま、小皿に入れた醤油をつけると、うまく食べられます。
これが正式な食べ方です。
わさびの本来の風味を感じながら食べることができるのです。