「日本料理で一番大切なマナーは何ですか」
そう聞かれれば、私は「箸の使い方」と即答します。
西洋料理はナイフとフォークの使い方が鍵を握るように、和食では箸の使い方が鍵を握ります。
和食にはさまざまな料理の種類があります。
もちろんそれぞれの和食に合った食べ方のマナーもありますが、和食は基本的に箸を使います。
「箸の使い方」こそ、最初に覚えるべきマナーであり、なおかつ最も大切なポイントなのです。
「和食マナー=箸の使い方」と言っても過言ではありません。
和食マナーで覚えなければいけないマナーの大半は、実のところ、箸の使い方なのです。
和食は、箸に始まり、箸に終わります。
たった2本の棒ですが、使い方は厳密で奥が深く、きちんと説明しようとすると、1冊の本ができるほどです。
逆に言えば、箸の使い方をきちんと習熟していれば、日本料理のマナーの半分は覚えたと言っても過言ではありません。
下品な食べ方と美しい食べ方の違いは、箸の使い方です。
いかに美しく箸を使うか。
これが和食マナーの最大のポイントなのです。