私たち人間は、生まれてすぐ親に面倒を見てもらいます。
生まれたばかりの赤ちゃんは、本当に何もできないからです。
食べること、寝ること、着替えなど、赤ちゃんは何もできませんから、すべて親がやります。
食べさせ、寝させ、着替えさせます。
まだはっきり目も見えない、言葉も話せない、立つこともできない赤ちゃんには、面倒を見てもらう必要があります。
誰でも最初は、完全に親に面倒を見てもらう状態です。
しかし、ここで1つ、気をつけたいことがあります。
ある程度、赤ちゃんから子どもへと大きくなると、親は2通りにわかれます。
将来子どもが自立できるようになるためには「外の世界に揉まれて免疫力をつけようとする親」になる必要があります。
自分の子どもがかわいいからとはいえ、いつまでも温室の中で育てていては、強く育ちません。
温室育ちだからこそ、つらい外の世界に出てもらって免疫力をつけていくことが大切なのです。
私にとって初めての外の世界は、留学先のアメリカでした。
私は高校を卒業してから、少し浪人を経験した後、思い切って留学することを決意しました。
決意したとき、もちろん親に相談しました。
突然の留学を志す話に、もちろん家族会議が始まりました。
父は優しく許可してくれました。
当たり前に考えると、子どもを1人で海外にやるというのは、心配なことです。
留学先では、お金も言葉も文化もまったく異なります。
すべて初めての経験ばかりになってしまうため、自分からトラブルの中へ飛び込んでいくようなものです。
それでも、私の親は許可してくれました。
親の話によると「大変な世界ほど強くなれる」と言ってくれました。
許可してくれたのは、私の成長を思ってのことです。
このときの親の決断には、本当に感謝しています。
日本のことわざに「かわいい子には、旅をさせよ」という言葉があります。
かわいい子だからこそ、あえてつらい経験をさせてあげる意味です。
大事な子とはいえ、いつまでも温室の中で生活していては、社会で生きるための免疫力をつけることができません。
かわいい子だからこそ、思い切って旅をさせて、強くなってもらうことが大切なのです。