子どもを自立させようとする親は、子どもに塾や習い事ばかりさせようとします。
友人との付き合いも、悪い友人とはあまり付き合わないように押し付けます。
親は、心配で落ち着かずたまらないのでしょう。
しかし、本当に子どもの成長の幅を広げてあげたいと思うなら、友人との付き合いは限定しないほうがいいでしょう。
もし限定してしまうと、子どもの受ける刺激も限られるからです。
相手がどんな人であろうと、影響をどう感じるかは、子どもしだいです。
特に子どものころこそ、いろいろな刺激に触れさせてあげることが大切です。
私は中学2年生のときに、楽器のドラムに夢中になっていた時期がありました。
中学生で思春期ということもあり、音楽が大好きな時期です。
私は耳が痛くなるような音楽を、大音量で聞いていました。
そんなとき、私の一番仲が良かった友人が、たまたまバンドマンでした。
「ちょっとやってみないか」と誘われ、大好きな音楽を断る理由もなく、もちろんOKしました。
私の担当は、ドラムでした。
それからというもの、私は毎日バンドマンの友人の家に遊びに行くようになりました。
その友人の家には、ギター、ベース、ドラムなどの演奏に必要な一式が揃っています。
なんと、演奏するための専用スタジオまであります。
音楽に夢中になる私に、親も少しずつ気づいてきたようでした。
そのとき、親は一言「危ない人と付き合うのは気をつけてね」と言いました。
私には、危なくもなんともなく、ただの仲のいい友人です。
私の親は、口では「気をつけて」と言いますが、強制ではなく、忠告だけでした。
これが、私の親の素晴らしい点です。
忠告はしても、強制はしなかったのです。
どんな影響があっても、最後は本人に決めさせてくれました。