執筆者:水口貴博

離婚の危機を回避する30の方法

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「よい離婚」も、世の中にはある。

「よい離婚」も、世の中にはある。 | 離婚の危機を回避する30の方法

世の中には、仕方ない事情から夫婦が最悪のケースに至ることがあります。

夫婦生活の最悪のケースとは、やはり「離婚」です。

「この人とならうまくやっていけるだろう」と思い結婚したものの、一緒に暮らし始めてみると、想像と違っていることがあります。

1つ屋根の下で暮らしていると、相手の悪い癖が見えてきたりします。

考え方に変化が生まれてきて、すれ違いが多くなります。

修復が不可能になった結果「離婚」という最後の決断に至ります。

しかし、そういう常識をひっくり返す出来事に遭遇したことがあります。

知るきっかけになったのは、私が19歳のときに付き合っていた彼女でした。

ある日、彼女が「実は……」と言って、話を持ち掛けてきました。

聞くところによると、彼女のご両親は一度離婚を経験しているといいます。

「バツイチ同士の2人が出会って結婚をしたのか。よくある話だよ」

最初はそう思っていました。

すると彼女は「違う」と言います。

「違うってどういうこと?」

なんと衝撃の事実を知ります。

一度離婚をして、また同じ2人が再婚しています。

再婚というくらいですから、普通に考えれば、別の人と再婚するものだろうと思います。

しかし、離婚をした同じ2人が、また再婚している。

彼女も「最初から離婚しなければよかったのに」と笑っていました。

たしかに普通ならそう思います。

考え方が異なっていたり、価値観が合わなかったりなどして、切り札として離婚に至ります。

「え? 何があったの?」

驚いた勢いから、気になり、続けて質問しました。

さすがに直接、ご両親には聞きづらかったので、長女である彼女に理由を伺ったところ、印象的な話が返ってきました。

「一度離婚して、お互いの価値を再認識できたのだと思う。頭を冷やして、失ったことの大きさに気づいたのだと思う」

彼女からの言葉は的を射ていました。

離れた後、またくっつくという両親の不思議な行動の一部始終を、客観的に見てるからひしひし感じられたのでしょう。

「なるほど」と思いました。

失ってから気づく価値。

夫婦は身近すぎるため、存在するのが当たり前で、普段は価値が感じにくいものです。

いるときは、なかなか価値の大きさに気づけませんね。

失ってから、価値の大きさに気づくということです。

いがみ合った結果、別れると決断したはずなのに、離婚届を役所に提出してから妙に恋しくなります。

失ってから初めて相手の大きな価値に気づきます。

「そういうこともあるのか!」

握り寿司屋で見た、仲がよさそうなご両親の笑顔は、一度失った経験があるゆえに出てくる笑顔でした。

離婚といえば悪い印象ばかりが先行しますが、必ずしもそうとは限りません。

大変なことやつらいこともあったが、そういう部分も含めて、人生であり夫婦であると気づけたのでしょう。

離婚することで得られることがあり、また同じ2人が再婚ということがあります。

世の中には「よい離婚」もあるのかと、新たな価値観に気づかされる一件でした。

離婚の危機を回避する方法(30)
  • 離婚をして、また再婚をする。
まとめ

離婚の危機を回避する30の方法

  1. 結婚後、変わり始めているのは、相手ではなく自分かもしれない。
  2. 夫だけが使うものは夫のもの。
    妻だけが使うものは妻のもの。
    夫婦が共用するものは夫婦のもの。
  3. 夫婦で共用しようとする意識が薄いと、別居の原因になりかねない。
  4. 「してくれて当たり前」という基準でお礼を伝えれば、夫婦関係は必ずうまくいく。
  5. 熟年離婚の原因から、夫婦円満のポイントを探れ!
  6. 「いつもありがとう」と言い続けているうちは、絶対に悪くならない。
  7. 部屋の光と色が明るいと、夫婦仲も明るくなる。
  8. 部屋の雰囲気を劇的に変えるのは「照明・カーテン・じゅうたん」の3つがポイント。
  9. 会話で本当に注意が必要なのは、たった一言。
  10. 言葉の善しあしは「自分が言われて不快を感じるかどうか」で判断する。
  11. 口喧嘩をするから早口になるのではない。
    早口になるから口喧嘩になる。
  12. 夫婦仲を改善させようと無理に同行させた結果、逆に夫婦仲が悪くなる矛盾。
  13. 集合する時間と場所を決め、別々に行動すれば、自由になれる。
  14. ソファーが、夫婦関係を改善させるきっかけになる。
  15. マッサージは、さりげなくスキンシップを増やす方法になる。
  16. 嘘の罪は、夫婦だからこそ大きい。
    1つでも嘘が見つかると、すべてが信用できなくなる。
  17. 「夫婦」という2文字にとらわれすぎていませんか。
  18. 普段から小さな喧嘩をしている夫婦は、別れることはない。
  19. 違いはあって当然。
    違いを楽しめることが必要だ。
  20. 子どもは、反り合っている夫婦のかすがいになる。
  21. ペットを飼うと、夫婦仲がよくなる。
  22. 「離婚」という言葉は、夫婦間では禁句中の禁句。
  23. 1人になる時間があるから、一緒にいる時間が充実する。
  24. 「初心忘るべからず」には、裏の意味がある。
  25. 家族全員が初心に返ることができるシンプルな方法。
  26. 緩みすぎてから何とかしようと思っても、難しい。
  27. 緊張感のあるイベントを作ると、新婚時の気持ちがフラッシュバックされる。
  28. 心の中で、パートナーと一度離婚する。
  29. 別居によって、お互いの存在価値を再認識できる可能性がある。
  30. 「よい離婚」も、世の中にはある。

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