子どものころを思い出しましょう。
ちょうど今から勉強をしようと思っていた矢先、親から「勉強をしなさい」と命令され、やる気をなくしたことはありませんか。
不思議なことに親に「勉強をしろ」と言われると、勉強がしたくなくなります。
自分から進んでやるのと、言われたからやるのとでは大違いです。
自分から進んで勉強しても、言われたからやる勉強も、どちらも結局勉強することには変わりません。
違いがあるのは、モチベーションです。
ちょうど今しようと思っているところで親に言われると、言われたからやるような感じになるので、モチベーションが下がります。
「やれと言われたことはやりたくなくなる」という面白い人間心理ですね。
この人間心理も、使い方しだいです。
子どもの成長を伸ばすような、面白い言葉がけがあります。
「たまには休憩もしなさい」です。
こう言われると、子どもはちょっと嬉しくなります。
親から「一生懸命に勉強して偉いね」と遠回しに褒められている感じがしますね。
いつも勉強していることを親が認めてくれていることを感じられます。
もちろん「たまには休憩しなさい」という言葉から、親の優しくて温かい気遣いも感じられます。
そればかりではありません。
「たまには休憩もしなさい」と言われると、逆にもっと勉強がしたくなります。
理由は先ほどと同じで、親から休憩しろと言われると、言われたからやるようで気が進まなくなるからです。
「これくらいのことで休憩していられない。自分はまだまだできるぞ!」
疲れが吹き飛び、逆にやる気が出てきます。
人間心理をついた、面白い言葉がけなのです。