「いい経験をしたね」というのは、子どもが笑顔になる言葉です。
うまくいったときに使うのではありません。
失敗したときに使うのが、ポイントです。
うまくいったときには、当然嬉しいです。
元気になるでしょう。
成功体験が得られることで自分に自信をつけることができ、さらにやる気を出していくでしょう。
でも、本当は「うまくいかなかったとき」が問題です。
テストで悪い点を取った。
試合に負けた。
友人と喧嘩した。
うまくいかなかったことや失敗したことなどは、ひどく落ち込むものです。
落ち込んだときほど、元気がないので、自力で立ち直るのは難しい。
「失敗した。何て自分はダメなのだろう」
そういうときこそ、親は次の言葉をかけてあげましょう。
「いい経験をしたね」と。
終わったことは終わったことです。
悔やんでも仕方ありませんね。
過去が戻ってくるわけでもありません。
終わった後にできることといえば、うまくいかなかった経験を前向きに捉えることです。
子どもは親から「いい経験をしたね」と言われることで、見方が変わります。
この言葉のいいところは、2つあります。
まず第1は「子どもに元気が戻る」です。
「そうか、これは貴重な経験なんだな」
親からの励ましによって、元気を取り戻すことでしょう。
親から話しかけてもらうことで、子どもは落ち込みから立ち直りやすくなります。
しかもです。
これは元気を取り戻すだけの言葉ではありません。
失敗から学びを得ようとする力にもなります。
単に失敗して終わりではありません。
「いい経験をした」と思うことで、失敗経験から次に生かせるような部分を学び取ろうとします。
友人と喧嘩したのは原因があるはずですね。
試合で負けたのも原因があるはずですね。
テストで悪い点を取ったのも原因があります。
そうした原因に気づき、改善していくことが大切です。
ポジティブに考えられる習慣を持てば、その子はこれからどんなつらいことがあっても、成長へ変えることができるでしょう。
人前で恥をかく経験も、試合に負けた経験も、テストで悪い点を取った経験も、すべてを成長の糧に変えることができます。
そういうふうに考えるようになり、そういうことをさせる習慣を身につけさせることです。
これらのために、たった一言の言葉だけでいい。
「いい経験をしたね」という一言で、子どもは明るい笑顔になるのです。