執筆者:水口貴博

子育て上手な父親になる30の方法

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家の手伝いは、言い換えれば「体育の授業」である。

家の手伝いは、言い換えれば「体育の授業」である。 | 子育て上手な父親になる30の方法

私の実家は、兼業農家です。

週末の朝は「おい、貴博。今日も手伝ってくれ」という父の一声で、叩き起こされていました。

夏場の週末には、ミカンもぎの手伝いが慣例でした。

ミカン1個は片手で持てるほどの軽さです。

しかし、大きな籠に何十個ものミカンを詰めると、相当な重さになります。

籠を持ち上げて運びますが、まだ小学校低学年だった私には、1人では持ちきれない重さでした。

そういうとき、父はある行動に出ました。

2つある「取っ手」のうち、一方を父が持ち、もう一方を私が持つようにしました。

1つの荷物を、父と子の2人で運ぶイメージです。

重さは2分の1になります。

重さが2分の1になれば、小学生の私でも何とか持てる重さになりました。

しかし、です。

当時、この手伝いが不思議でなりませんでした。

作業効率が悪いです。

父は力があるので、1人で荷物を持て、しかも仕事が速い。

一方、私1人では荷物が持てず、父からの協力が必要だった。

父1人がやったほうが速い仕事なのに、なぜ私にわざわざ手伝わせるのかと思います。

子どもに手伝わせることで、仕事がはかどるどころか、効率が悪くなっていました。

幼い子どもでも、その効率の悪さはよくわかるほど明らかでした。

往々にして、仕事の現場でもそういう現象が起こります。

部下に任せるより、熟練した上司が1人で仕事をしたほうが、質もスピードも速いことがあります。

では、なぜ父は仕事の効率を下げてまで、私を手伝わせたのか。

それは家の手伝いを通して、子どもの健全な発育を促すのが目的でした。

「手伝い」という名前がついていながらも、その実態は「体育の授業」です。

成長盛りの子どもは、学校の体育の時間では全然足りません。

足りない分は、家庭内で補う必要があります。

父は、力の必要な家の手伝いを通して、子どもの健全な発育を促そうとしていました。

手伝いとしての作業効率は下がりますが、子どもには体育の授業の一環になり、力をつけます。

すべての「手伝い」はそうです。

私の場合は農家だったので、特に力のある手伝いを任される機会が多かったですが、ほかの家庭でも通じる話です。

手伝いはすべて子どもの発育を促す機会になります。

犬の散歩・庭の掃除・食器洗い・布団干し。

布団は結構重いですから、いい運動になるでしょう。

すべて手伝いという名前がついていながら、体育の授業になります。

子どもが体を動かす機会になり、どんどん成長が促されるのです。

子育て上手な父親になる方法(30)
  • 家の手伝いを通して、体育の授業をする。
まとめ

子育て上手な父親になる30の方法

  1. 父親が育児をする、子どもは自分に自信を持つ。
  2. 父が育児に参加することで「父」から「父親」へと成長する。
  3. 父が楽しそうに仕事をする背中を見て、子は育つ。
  4. 子どもの勉強のきっかけは、興味や関心から始まる。
  5. 子どもが破壊行為をし始めたら、強い興味や関心の表れている証拠。
  6. どんな遊びも、突き詰めれば勉強になる。
  7. 本当に家族を大切にする父親は「家族サービス」という言葉を使わない。
  8. 父親の趣味に、子どもを誘ってみよう。
  9. なぜ子どもにとって父は、母より遠い存在と感じてしまうのか。
  10. 母親の大変さを理解するために、男性こそ育児に参加する。
  11. 家族揃って食事ができるように、週に何度かは早く家に帰る。
  12. 特別な日に特別頑張る父は、大幅に評価が向上する。
  13. 疲れて育児に参加できないときは、母親へ育児をねぎらう言葉だけでも伝える。
  14. 叱るというのは、愛を伝えるということ。
  15. 叱るばかりはいけないが、まったく叱らないのは、もっといけない。
  16. 母親からの愚痴には「解決策」の前に「共感」からかけよう。
  17. 甘える父親は、もう1人の子どもである。
  18. 父親という遊び相手ほど、面白い相手はいない。
  19. ストレス発散をするなら、子どもの遊び相手になればいい。
  20. 親から暴力を振るわれた子どもは、友人にも暴力を振るうようになる。
  21. 父の仕事現場を見せてあげると、父の仕事のイメージが湧くようになる。
  22. 早く家に帰られる人は、気の利いた父親になるための気遣いをしよう。
  23. 愛の伝わるスキンシップがあれば、回数は少なくてもいい。
  24. 正しい力の使い方とは、大切な人を守るためである。
  25. 子どもの下品な言葉に、いちいち本気にならない。
  26. 男らしい父親なら、曖昧な返事は返さない。
  27. 夫婦仲のいい家庭は、子育てにもいい影響を与える。
  28. 子どもの失敗は、褒めたたえるくらいでいい。
  29. 子どもの話に、小難しい評価や感想はいらない。
    単に共感するだけでいい。
  30. 家の手伝いは、言い換えれば「体育の授業」である。

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