叱るといえば、父の仕事です。
大事な場面では、叱るのは父の役目です。
礼儀や作法を教えるだけでなく、子どものことを本気で心配している気持ちを伝えるという役目もあるからです。
ときどき「叱らない父親」がいます。
世間一般からすると「優しいお父さんですねえ」という評価を得られることでしょう。
それは世間の評価はそうでも、子どもにはどうでしょうか。
ここです。
「世間からの評価」と「子どもからの評価」のずれがあります。
往々にして、ここで勘違いをします。
実は違います。
まったく叱らない父親は、優しいどころか、冷たい父親です。
子どもには、叱らない父親ほど悲しいことはありません。
どんなことをしても叱ってくれないのは、愛されていないと感じてしまうからです。
無関心であり、無視と同じです。
それは、子どもにも伝わってしまいます。
どんなに悪いことをしても叱ってくれない父親に、子どもは失望します。
「自分には興味がないんだな」
「愛されていない」
「お父さんは、私のこと嫌いなのかな」
悪い印象を抱いてしまいます。
厳しいことを言いますが、子育てを完全に放棄している最低の父親です。
優しさを演出しているのではなく、単に自分が楽をしたいだけです。
単に子どもに無関心なのは、一番よくないパターンです。
子どもは「悪いことをしたときはきちんと叱ってほしい」と、心のどこかで願っています。
叱るばかりではいけませんが、まったく叱らないのは、もっといけません。
叱るべき場面では、きちんと叱れる親になりましょう。
子どもは「うるさい!」と反抗しながらも、心のどこかでは嬉しく思っているのです。