私がコンピューターに慣れ親しんだのは、特に父からの影響が大きいと思います。
実は、父から一度も「機械の勉強をしろ」と言われたことはありません。
しかし、こうやって今、自分でサーバーを組み立てたり、プログラムを組んだり、自分のウェブページを公開するようになりました。
私から興味を抱いて、自分から進んでしたことです。
そうなるようになったきっかけは、はるか幼いころです。
まだ私が幼い、小学1年生くらいのころまで遡ります。
父は、工業系の仕事をしていました。
まさに「仕事虫」という言葉が似合う人です。
仕事を家でもするタイプで、いろいろと会社から部品を持ち帰っていました。
持ち帰る部品の数々は、子どもには単なるがらくたにしか見えません。
「なぜごみばかりを持ち帰るのだろうか」と不思議に思っていました。
ねじやボルトはもちろん、磁石やなんとも言えない変な形の鉄の塊など、持ち帰っていました。
がらくたにしか見えないはずですが、不思議なものです。
父が楽しそうにがらくたをいじっていると「何だろう」と気になります。
父は変わった人です。
何が変わっているのかというと、そういう部品の組み合わせや設計書を、にやにやしながら考える人でした。
楽しそうに仕事をしているのが、見てすぐわかりました。
父が楽しそうに仕事をしているので、何をしているのかが気になり始めました。
父が触っている部品に対して「これ何?」と質問したり、変な設計書を見せてもらったりしました。
がらくた集めではなく、なにやら会社の開発に関わる大切なことをしているのだとわかりました。
父の仕事の内容がわかり始めます。
開発や設計を楽しんでいました。
それからです。
私は父のやっていることを真似るかのように、同じく部品をいじったり組み合わせたりするようになりました。
大した話ではありません。
父の持ち帰る部品を使って、積み木にしたり、並べたりしていただけです。
しかし、そんな小さな行為の中にも、何か「組み合わせる楽しさ」や「開発の喜び」が感じられました。
本当に小さな喜びでしたが、何か父のやっている楽しさを理解できました。
これが、理系に足を踏み入れる第一歩でした。