心理学から言えば、人が誰かに話しかける目的の大半は「共感してもらいたいから」とのことです。
話を聞いて、納得してもらったり、一緒に気持ちをわかち合ったりしたい。
あなたにも当てはまるのではないでしょうか。
仕事のような特別な用事がある場合を除いて、考えてみましょう。
普段の日常生活の中、何気なく友人に話しかけたり電話したりするとき、どのような心理状態ですか。
「自分の話を聞いてもらいたい。わかってもらいたい」という気持ちがあるはずです。
明確に「私の話をわかって」と言葉を口にすることはありません。
それとなく「聞いてよ。今日こんなことがあってね」という話をしていることでしょう。
共感をしてもらいたいから、話しかけています。
幼い子どもでも同じです。
子どもが親に話しかける理由の大半も「共感してもらいたいから」です。
「今日、学校でこんなことがあったんだよ」
「友人とこんな遊びをしたよ」
「道端で、こんな物を見つけた」
そういうとき、親は子どもたちの話を聞いて、評価や感想をいうのではありません。
単に、共感する言葉をかけてあげればいい。
「それは大変だったね」
「つらかったね」
「そうだね、なるほど」
すると、子どもは自分の気持ちを理解してくれたと感じ、ぱっと笑顔になります。
特に男性である父親は、子どもからの話に難しく身構えて考えてしまいがちです。
「何か気の利いた返事をしてやろう」と、力を込めすぎていませんか。
アドバイスや感想を、無理に考える必要はありません。
単純に「そうか、なるほど」と共感すればいいのです。