子どものころ、父の帰りは、いつも深夜でした。
私が寝た後に父が帰ってくる、という日も少なくありませんでした。
しかし、普段は夜中に帰宅する父でも、夕食に間に合う時間に帰る日もありました。
家族の誕生日です。
家族の誕生日のような特別の日には、必ず夕食前に家に帰ってきたのを覚えています。
いつもは遅く帰ってくる父が、そういう日に限って早く帰ってくると、子どもは「おや」と思います。
父親には少し早めに仕事を切り上げて、家に帰るだけのことでしょう。
しかし、子どもたちには、かなり印象は変わります。
「家族のために気を使っているんだ」と伝わってきます。
特別な日に、特別に気を使っている父は、子どもたちからの評価も大幅にアップです。
そのうえ、誕生日プレゼントまであれば、言うことなしです。
絶対、子どもたちは大喜びします。
父が会社でどのようなやりとりをしていたのかわかりませんが、早く退社できるようにスケジュールの調整をしていたのでしょう。
そういう場面を直接見たわけではありませんが、目に浮かんできます。
自然と子どもにはわかります。
大切なことは、そういう調整です。
父親としては、大切な日くらいは早く帰宅ができるようあらかじめスケジュール調整をしておきましょう。
可能なら「息子の誕生日で早めに帰宅したい日がある」と、あらかじめ上司に伝えておきましょう。
息子の誕生日は年に1回。
温厚な上司なら、それくらいは理解してくれるはずです。
もし、あからさまに言うのが難しければ「子どものために誕生日プレゼントを買ってあげた」という話を社内でするだけでもいい。
それとなく、周りに伝えます。
職場にいる仲間たちは「子どもの誕生日が近づいているんだな」と気づきます。
周囲からの理解が得られ、早めに帰宅しやすい雰囲気をあらかじめ作っておきます。
これも父親としての大事な仕事です。