会社を頼っていると、さまざまな保険が適用します。
大きな失敗さえなければ、安定して仕事をもらえます。
「基本給」が保証され、独身なら「住宅手当」が支給され、家族がいれば「家族手当」が出ます。
資格を取ったときに「資格手当」が支給され、能力に応じて「能力給」が支給されます。
退職したときには「退職金」まで出ますから、まさに至れり尽くせりです。
会社を頼りにすることで、生活の土台が安定します。
真面目な人は、生活のすべてを捧げて、会社のために人生を捧げます。
しかし、実のことを言ってしまえば、これはあまり感心できることではありません。
ほとんどの会社が、人の寿命より短いからです。
一部の大企業を除いて、ほとんどの中小企業は、人の寿命よりはるかに短いです。
退職するまで会社が存続している可能性は、低いです。
ましてや、不況の時代には、いつ会社が倒産するかわかりません。
倒産したときに、会社に頼り切っていた人は職を失い、路頭に迷ってしまいます。
社員は「会社が倒産する」という縁起の悪いことは、社内では言えません。
しかし、そういう事態は十分に起こりうると、心得ておくことです。
リスク管理ができてこそ、万が一のことがあったときに、次の一手がスムーズに打てるようになります。
本当に頼りにするのは、自分です。
仕事のできる人ほど、会社を頼りにしていません。
万が一、突然倒産したとしても、食っていけるような技術や人間性を身につけようとします。
「会社に頼る生き方」ではなく「会社を利用させてもらう生き方」をしています。
会社は自分の食いぶちを稼ぐためや、能力を高めるために一時的に住まわせてもらっていると思っています。
それが本当の生きる力です。
会社で十分な力を身につければ、その力を生かせる次の職場へ転職するのです。