祖父は、私が18歳のころ、亡くなりました。
祖父が生前入院していたころ、ときどき病院にお見舞いに行っていました。
そのとき主治医の先生から、ある貴重なアドバイスをいただいたことがあります。
私が感銘を受けた素晴らしい言葉でした。
そのとき言われたアドバイスは「できるだけ明るい未来の話をしてくださいね」と言われました。
患者には、一番いいのだといいます。
その主治医の先生は「どんな薬より効き目があります」と断言していました。
これはどういうことでしょうか。
もし、病で寝込んでいる年配者に、過去の話をすればどうなるでしょうか。
「あのころはよかったね。昔は体が丈夫だったのにね」
「昔はよかったな」
「あのころが一番元気だった」
誰でも年を取れば、衰えます。
人間だからです。
昔と今とを比べれば、若いころのほうが元気で活動的です。
そのため、昔の話をすると、結果として元気をなくしてしまう場合が多いです。
若くて体力のあった若いころと年老いた今とを比較されるような話し方をされれば、誰でも元気がなくなるに決まっています。
では、どんな話をするのかというと「明るい未来の話」です。
「病気が治ったら、また温泉に行こうね」
「リハビリで動けるようになったら、また犬と一緒に散歩しようね」
「家では孫が待っているよ。元気になった姿を孫に見せないとね」
そういう明るい話をします。
すると患者はぱっと明るくなり、元気を取り戻します。
患者を「早く回復したい」という気持ちにさせることです。
明るい未来を思い描かせることが大切です。
明るければ明るいほどいい。
「早く活動を再開したい」という明るい未来が動機になり、けがや病の回復が早くなります。
「病は気から」と言います。
病は気から治していきます。
本人がそういう気持ちになれば、そういう力が発揮されます。
事実として過去には、末期のがん患者が明るい未来の希望を持つことで奇跡的な回復を見せた例が、いくつもあります。
「明るい未来の話には、薬では治せない病を治すほどの力がある」ということです。
主治医の医者は、私に「どんな薬より効き目がある」と断言しました。
患者に話しかけるときには「過去の話」はできるだけ避けて、明るい未来の話をしましょう。
ぜひ、あなたにも知ってもらいたいアドバイスです。