「惨めな自分が快感」
「哀れな自分がいとおしい」
「かわいそうな自分が好き」
そんな気持ちに心当たりはありませんか。
自分を劣った人間だと思うことを「自己卑下」といいます。
自分が哀れでかわいそうと思うことを「自己憐憫」といいます。
自己卑下・自己憐憫は、つらくて苦しいように思えますが、時に快感を覚えることが少なくありません。
かわいそうな自分を演じていると、注目を集めることができます。
「大丈夫だよ」「元気出して」「無理しないで」と、周りの人が心配してくれます。
かわいそうであればあるほどかまってもらえるので、嬉しくなります。
また、映画やドラマの主人公は、不幸で悲劇的な状況が多い。
映画やドラマで登場する悲劇の主人公が自分と重なると、不思議と主役になったかのような錯覚を覚えます。
だんだん悲劇を演じることが病みつきになります。
いつしか最終的に「かわいそうな自分が好き」という心理に陥ることがあるのです。
しかし「かわいそうな自分が好き」と思ったら、すぐやめたほうがいい。
不幸をエスカレートさせるための自己暗示になるからです。
「かわいそうな自分が好き」と思うことほど、無駄なことはありません。
「もっと不幸になりたいです」と自分に言い聞かせることになります。
「自分は世界で一番不幸」と思い込んでいると、どんどん気持ちも落ち込んでいきます。
ネガティブ思考が悪化すると、出る元気も出なくなります。
自分を責めて追い込んでいると、いずれ呼吸をするのさえ苦しくなるでしょう。
不幸をネタに周りの注目を集めたところで、一時的です。
「また騒いでいる」「どうせ演技だろう」「いつもの芝居に決まっている」と見抜かれます。
しばらくすると、優しくかまってくれた人も飽きてきて、離れていくでしょう。
「かわいそうな自分が好き」と思ったら、すぐやめましょう。
心がけたいのは「ありのままの自分が好き」という考え方です。
泣くわけでもなければ、強がるわけでもない。
すねるわけでもなければ、かっこつけるわけでもない。
弱みを隠すわけでもなければ、飾るわけでもない。
自分らしく振る舞うことに集中しましょう。
ありのままの自分を好きになったほうが「自分らしさ」に集中できます。
緊張やストレスが減る一方、充実感と満足感が増えます。
無理に演じなくていいので、自由で気楽に生きることができます。
「かわいそうな自分が好き」と思ったら、すぐやめるのが正解です。
心がけるなら「ありのままの自分が好き」と思うこと。
「ありのままの自分が好き」という考え方は、幸せな人生に導く考え方です。