緊張をほぐすときには「腹式呼吸」が有効です。
普通の深呼吸を思い浮かべるかもしれませんが、少し違いがあります。
たしかに深呼吸の1つですが、私たちが普段行う深呼吸は「胸式呼吸」が一般的です。
胸式呼吸とは、胸部の運動によって行われる呼吸のことです。
深呼吸をしたとき、胸の部分が膨らんだり縮んだりするなら、胸式呼吸である証拠です。
もちろん胸式呼吸でも緊張をほぐす効果はありますが、腹式呼吸のほうがさらに高い効果が期待できます。
腹式呼吸は、次の特徴があります。
この2つの特徴のため、より多くの酸素を取り込め、胸式呼吸よりリラックス効果が高くなるのです。
腹式呼吸に特別な道具は不要です。
いくつかポイントを意識するだけで、誰でもできます。
腹式呼吸をするときは、次の3つがポイントです。
胸式呼吸では特に気にしませんが、腹式呼吸では、まず吐くことから始めます。
体の中にある悪いものをすべて出しきるように息を吐いた後、大きく息を吸い込みましょう。
呼吸は、口ではなく鼻を使って行うようにします。
普通の深呼吸では、胸の部分に空気をためるようなイメージですが、腹式呼吸の場合は違います。
腹式呼吸では、おへその部分に空気をためるイメージでおなかを膨らませます。
腹式呼吸は、横隔膜の伸縮による呼吸法です。
普段とは違う呼吸法なので、最初はスムーズにできませんが、何度が繰り返していくと慣れていくでしょう。
普通の深呼吸では、吸ったり吐いたりする割合が同じ程度ですが、腹式呼吸では、吸うより吐くことを重視します。
厳密なルールはありませんが、腹式呼吸では、吸うより吐くことに2倍以上の時間を使うのが一般的です。
たとえば、鼻から3~4秒かけてゆっくり息を吸い、口をすぼめながら6~8秒かけて吐き出します。
時間をかけてゆっくり吐くようにするのが腹式呼吸の特徴です。