子どもにとっての人生の手本は、どこにあるのでしょうか。
絵本の中でしょうか。
テレビの中でしょうか。
それとも、夢の中でしょうか。
子どもにとって一番の手本は、最も身近な存在である親です。
生まれたときからそばにいて、言葉も歩き方も礼儀やマナーも、親の真似をしながら覚えました。
先ほど私は、子どもは失敗する天才だと言いましたが、子どもにはもう1つの才能があります。
「子どもは、真似の天才です」
子どもは態度やマナーだけでなく、手本とする人をまるごと吸収してしまいます。
子どもは、手本である親から言葉や態度、礼儀やマナーだけでなく、性格や感情までも真似をして学びます。
そんな感情や性格は家庭の中で育まれ、特に親からの影響を最も強く受けて成長します。
親であるあなたの日頃の行いを、子どもは見ていないようで、しっかり見ています。
親たちは、親になる前に、まず人としてしっかりした人間でなければなりません。
私は子どものころから、親の影響を最も強く受けて育ってきました。
最も身近にいる人が親ですから、親から影響を受けざるを得ない状況でした。
この状況は私だけではなく、皆さんも同じことが言えるでしょう。
いつもそばにいるのは、お父さんとお母さんです。
私はいつも父と母からの影響を知らず知らずのうちに大きく受けていました。
どうすればいいのかわからなかったときには、すぐそばにいる両親を手本にしていました。
そんなことを子どものころから続けていれば、当然のことながら、私は親にそっくりな人間になってしまいました。
「カエルの子はカエル」という言葉があります。
カエルから生まれた子はやはりカエルであり、見た目も性格も動きも同じだという意味です。
私も『カエルの子はカエル』であり、自分は親とそっくりな性格だなとつくづくそう思います。
読者の中には「水口貴博の親は、どんな親なのだろうか」と、ふと疑問に思ったかたもいるのではないでしょうか。
私のような人間です。
考え方や行動は、私にそっくりです。
というより、私のほうが親の考え方や行動にそっくりなのです。
今の私は、手本である親の影響を受け、今に至っているわけです。
さて、本題へ戻ります。
以上のようなことを踏まえると、子どもを立派に育てるためには手本である親が、まず立派な人間でなければいけません。
子どもを育てるということは、子どもに対してだけでなく、実は自分を磨くことでもあるのです。
磨かれた素晴らしい親からは、子どもは素晴らしい影響を受けていきます。
親は何もしていないつもりでも、その存在そのものが、2つとない手本になるのです。
意外なことと思うでしょうが、子育てのためにはまず自分磨きを行うことです。
親であるあなたが素晴らしい人なら、子どもはあなたを手本に、しっかり育っていってくれるのです。