執筆者:水口貴博

子育て上手な親になる30の方法

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チョウを与えるより、虫取りアミを与えるほうがいい。

チョウを与えるより、虫取りアミを与えるほうがいい。 | 子育て上手な親になる30の方法

私は愛媛県の田舎で育ちました。

田んぼと緑に囲まれ、自宅からは山と海の両方を眺めることができる、自然を満喫するにはもってこいの場所です。

そんなところで幼少期はずっと暮らしていましたから、緑だけでなく昆虫にも大変親しみを持っています。

カタツムリやカマキリ、ホタルやトンボ、アメンボ、チョウなど、昆虫たちとはひととおりの付き合いをしてきました。

自然だけでなく昆虫たちにも囲まれていると、自然と虫取りをしたくなります。

私が「チョウが欲しい」と言うと、母はチョウではなく、虫取りアミを与えてくれる人でした。

欲しいという物をそのまま直接に与えるのではなく、手に入れるための「手段」を与えてくれる人でした。

私はいつも、その虫取りアミを持って緑を駆け巡ります。

チョウ1匹とはいえ、捕まえるためには苦労するものです。

実体験を通して「自分の力で手に入れる喜び」を、自然から教えられました。

後になるほど、あのときの母の教育は抜群だったということに気づきます。

子どもの成長のためには「物」を与えるのではなく「手段」を与えることが大切です。

子どもは与えられた手段で、どう手に入れようか頭を使って考え始めます。

虫取りアミだけを手渡されて、手段を手に入れたとしても、チョウをなかなか捕まえられずに苦労をします。

チョウが隠れていそうなところはどこだろうかと考えます。

手際よくチョウを捕まえるために、飛び方を観察します。

このように母はいつも私に「手段」を与え、私は手段を使ってどうやりたいことを叶えていくかを考えます。

母は決してすべてを援助することはなく、手段だけを与えて残りの努力は本人にさせる方法で育てていました。

この教育方法が、私の今の力につながっています。

やりたいことをまず真っ先に頭に思い浮かべます。

何でもかまいませんから、自分が一番叶えたい夢を頭に思い描きます。

それを叶えるためのあらゆる手段や方法を、手当たり次第に思い浮かべます。

そして、自分にできるであろう最も効率のよい方法で夢に近づいていきます。

時には自分に合った手段がない場合もあります。

そんなときは、自分で手段を作ってしまいます。

こうした行動の原点は、幼いころに母が私に与えた「虫取りアミ」にあったのです。

子どもが欲しいと言うものを何でも与えてしまう親がいます。

しかし、本当に子どもの成長を願うなら、直接に物を与えるのではなく、そのための手段を与えるほうがいいのです。

子どもにははじめこそ苦しく感じるかもしれませんが、自分の力で手に入れる喜びを知るよい機会となるのです。

子育て上手な親になる方法(6)
  • 「物」より「手段」を与える。
子どもは、小さな暴れん坊将軍。
暴れるのが、お仕事。

子育て上手な親になる30の方法

  1. 子どもの一生を決めるのは、親の育て方しだい。
  2. 子どもは、失敗をする天才である。
  3. 教育の基本はとってもシンプル。
    「許す」と「教える」。
  4. 愛のない教育は、子どもにとってむしろ毒となる。
  5. 子どもは、真似の天才である。
  6. チョウを与えるより、虫取りアミを与えるほうがいい。
  7. 子どもは、小さな暴れん坊将軍。
    暴れるのが、お仕事。
  8. たくさんの紙を与えてあげると、子どもの書く力はどんどん伸びていく。
  9. 親の器の大きさが、子どもの器の大きさになる。
  10. 「できなかった話」の前に「できた話」をすること。
  11. 親の言葉遣いが、子どもの言葉遣いになる。
  12. 嫌がることをやらせても、本当に身につかない。
  13. よその子と比べないほうがいい。
  14. 子どもには、全力を出すことだけに意識させればいい。
  15. 子どもから、お金を取り上げてはならない。
    お金の勉強は、学校では教えてくれない。
  16. 遊びも立派な勉強となる。
  17. 親が勉強していると、子どもも勉強したくなる。
  18. 「じゃあ自分たちで、何とかしなさい」
  19. 親も、子どもから学んでいく。
  20. 子どもが生まれて初めて目にする人間関係は、お父さんとお母さんの夫婦関係。
  21. 親が、親の悪口を言ってはいけない。
  22. 親の習慣が、子の習慣になる。
  23. 「ありがとう」が言えない子どもは、社会に出てから苦労をする。
  24. 食事中のお説教はしない。
    せっかくのおいしい食事が台無しになる。
  25. 「うちの子に限って」という考え方はやめよう。
  26. 近所のおじさんおばさんにも、怒ってもらおう。
  27. いらいらしても、子どもの人格や存在は否定しない。
  28. 子どもの欠点を褒めるのは、親の仕事。
  29. 無条件に大切にすることが、愛である。
  30. いずれ自立する子どものために、親は子を育てる。

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