執筆者:水口貴博

子育て上手な親になる30の方法

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「じゃあ自分たちで、何とかしなさい」

「じゃあ自分たちで、何とかしなさい」 | 子育て上手な親になる30の方法

兄弟がいれば、もちろん兄弟喧嘩が起こります。

私にも妹が1人いて、小さいころはよく喧嘩をしていました。

テレビのチャンネルの取り合いで喧嘩になったり、分け与えられたケーキの大きさの違いで喧嘩になったりなどです。

子どものころの喧嘩というのはたわいないことから始まります。

私は妹と喧嘩をしていたとき、母がちょうどやってきます。

「どうしたの。なぜ喧嘩しているの」と、尋ねてきたので、私は「妹のケーキのほうが大きい。ずるい」と言いました。

てっきりうまく仲裁をしてくれるのかと期待していましたが、外れました。

「あ、そう。じゃあ自分たちで、何とかしなさい」

一言冷たく言って、終わりです。

喧嘩の理由が大事ではないことを知った母は、自分が介入するほどのことではないと思ったのでしょう。

それから母はどこかへ行き、私たちは放置の状態になりました。

「自分たちで何とかしなさい」と一言で締めくくられると、あっけなさに、喧嘩の熱も冷めます。

子どもは親に「自分たちで何とかしなさい」と言われると、困ります。

「これ以上、喧嘩をしても意味がない」と思うのです。

そこで私と妹は、仕方なくではありましたが何とか「仲直り」をしていました。

喧嘩をすれば仲直りというのが、1つのセットです。

喧嘩をしたままで終わらせてはいけません。

そこで仲直りが必要であり、その仲直りをする経験も親が奪ってはいけないのです。

仲直りも子どもには大切な勉強です。

親が仲介してうまく取り繕っては「仲直りをする機会」を取り上げてしまいます。

意外なことと思うでしょうが、子どもの喧嘩はほうっておきましょう。

他人に迷惑をかけたり、命に関わったりするいざこざなら、もちろん親がしっかりしなければなりません。

しかし、そうでなければほうっておいてもいいのです。

仲直りも、お金の勉強と同じように、学校では教えてくれないことです。

学校で喧嘩が起きると、必ずといっていいほど先生が飛んでやってきます。

先生が間に入り、うまく取り繕いますが、自分たちの力で仲直りする機会を奪っているだけです。

こうなったら仲直りをする勉強は、日常しかありません。

親は喧嘩の事情だけを聞いて大きな問題ではないことがわかれば「後は自分たちで何とかしなさい」とだけ言えばいいのです。

はじめこそ親が仲介して「仲直りとはどういうものなのか」「どうすればいいのか」ということを教えます。

しかし、いったん基本的なことさえ教えれば、後は子どもたちの力で仲直りをさせるのです。

最初はうまく仲直りができないかもしれませんが、数をこなせばうまくなるというものです。

仲直りができるようにならなければ、大人になってから大変に苦労をします。

友人関係でめたり、恋人関係で揉めたり、お金のことで揉めたりと、何かと喧嘩をしてしまう機会は多くあります。

子どものころから仲直りの練習をしておかないと、大人になってからうまく仲直りができなくなってしまうのです。

子育て上手な親になる方法(18)
  • 仲直りは、自分たちでさせる。
親も、子どもから学んでいく。

子育て上手な親になる30の方法

  1. 子どもの一生を決めるのは、親の育て方しだい。
  2. 子どもは、失敗をする天才である。
  3. 教育の基本はとってもシンプル。
    「許す」と「教える」。
  4. 愛のない教育は、子どもにとってむしろ毒となる。
  5. 子どもは、真似の天才である。
  6. チョウを与えるより、虫取りアミを与えるほうがいい。
  7. 子どもは、小さな暴れん坊将軍。
    暴れるのが、お仕事。
  8. たくさんの紙を与えてあげると、子どもの書く力はどんどん伸びていく。
  9. 親の器の大きさが、子どもの器の大きさになる。
  10. 「できなかった話」の前に「できた話」をすること。
  11. 親の言葉遣いが、子どもの言葉遣いになる。
  12. 嫌がることをやらせても、本当に身につかない。
  13. よその子と比べないほうがいい。
  14. 子どもには、全力を出すことだけに意識させればいい。
  15. 子どもから、お金を取り上げてはならない。
    お金の勉強は、学校では教えてくれない。
  16. 遊びも立派な勉強となる。
  17. 親が勉強していると、子どもも勉強したくなる。
  18. 「じゃあ自分たちで、何とかしなさい」
  19. 親も、子どもから学んでいく。
  20. 子どもが生まれて初めて目にする人間関係は、お父さんとお母さんの夫婦関係。
  21. 親が、親の悪口を言ってはいけない。
  22. 親の習慣が、子の習慣になる。
  23. 「ありがとう」が言えない子どもは、社会に出てから苦労をする。
  24. 食事中のお説教はしない。
    せっかくのおいしい食事が台無しになる。
  25. 「うちの子に限って」という考え方はやめよう。
  26. 近所のおじさんおばさんにも、怒ってもらおう。
  27. いらいらしても、子どもの人格や存在は否定しない。
  28. 子どもの欠点を褒めるのは、親の仕事。
  29. 無条件に大切にすることが、愛である。
  30. いずれ自立する子どものために、親は子を育てる。

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