私の実家は、兼業農家です。
母は、家に嫁いだとき「白魚の肌」と自分で言っていました。
母は、自慢げに語っています。
しかし、今の母の手は、しみだらけです。
農家に朝昼晩は関係なく、日光の下で作業をします。
農家の宿命です。
水口家に嫁いで、母は朝昼晩と農業に携わり、いまや手はしみだらけになってしまいました。
母の手は、汗や苦労を物語っています。
嫁いだとき、白魚のような手が、しみだらけになっている今の手を見て、息子としては複雑な心境です。
しかし、そんな母は、しみをまったく気にする様子はありません。
いつも元気に笑っています。
これが、一番大切です。
しみができると、普通、落ち込みます。
自分の価値が下がったかのように思えます。
もちろんしみは、ないほうがいいのですが、あったとしても大げさに考える必要はありません。
一番よくないのは、自分のしみに大きなコンプレックスを持ってしまうことです。
しみがあって元気がないと、心配になります。
大切なことがあります。
しみは病気ではないのです。
死ぬわけではありません。
ある程度年を取れば、誰にでもできるものです。
しみがある人でも、元気に笑っていれば、気になりません。
笑った瞬間、注意は楽しそうな表情に向き、しみは見えなくなるのです。
もはや、しみすら、笑顔の一部になります。
これなのです。
しみを消す一番の特効薬は、元気と笑いです。
元気にいつも笑っていれば、しみはあって、ないようなものです。
私の母を見ていると、つくづくそう思います。
母はいつも元気です。
水口家に嫁いで、しみだらけの手になっても、気にする様子はありません。
いつも笑っているので、元気です。
そういう母でよかったと思いました。