会話の中で「いずれにせよ」という発言をする人を耳にします。
比較的に気軽に口にしてしまう言葉ですが、この表現は注意です。
なぜでしょうか。
たとえば、次の単純な言葉を聞いてどう感じますか。
「さっきからいろいろ話をしているけれど、いずれにせよ、キャンセルにしよう」
「AでもBでも、いずれにせよ、謝りに行こう」
いずれにせよと言われると、あまり気持ちがよくありません。
「どっちでもいいだろう」
「それ以上考えるのが面倒」
「もうどうでもいいだろう」
否定的なニュアンスが感じられるからです。
文法が間違っているかどうかの話ではありません。
文法や使い方としては間違っていません。
大切なことは、その発言を相手が聞いて、気持ちいいかどうかです。
話を取りまとめるのが面倒になって、うまい一言で言いくるめられたような気がします。
何だか、感じが悪いのです。
気にしない人もいるかもしれませんが、気にする人もいます。
後味の悪くなる表現です。
うっかり口にしてしまう人は要注意です。
では「いずれにせよ」と言いたくなったとき、どうすればいいのでしょうか。
「そういうことを踏まえて」と言うようにしましょう。
これまで話をした内容を総括したような言い方なら、気持ちのいい締めくくり方ができます。
きちんと相手の話を聞いたうえで話をまとめようとする姿勢が感じられます。
気持ちのいい会話の流れを維持できるのです。