ある日、レストランで友人と一緒に食事をしていたときのことです。
楽しい話に時を忘れていたのですが、一瞬、落ち着きを取り戻す出来事がありました。
相手の視線が、一瞬だけ、時計に移動したのです。
1秒未満。
おそらく0.5秒くらいだったと思います。
それに気づいてしまった自分がいる。
時計を見るしぐさが一瞬であるゆえに、ばれないように心がけているのがわかりました。
その瞬間、不安になりました。
「楽しんでいるように見えるけれど、本当は帰りたいのかな」と思ってしまったのです。
一緒に楽しく話をしているつもりでしたが、いろいろ不安が思い浮かびます。
気づかれないようにしているのはわかりますが「気づかれないような何かがあるのでは?」と思います。
「実は我慢して話に付き合ってくれているのではないか」
「ほかの予定があるのかな」
「早く帰りたいのかな」
これまで楽しんでいた様子が、実は芝居だったのかもしれないと思うようになってしまいました。
一瞬でも時計をちらりと見ることで、楽しく盛り上がっていた会話に急ブレーキがかかるのです。
時間を気にしているなら「何時かな」と言ってくれたほうがまだいい。
隠さず言ってくれたほうが、話し相手としては、気が楽です。
無理に隠そうとして、不自然な態度を取られるほうが、逆に気になってしまうのです。