執筆者:水口貴博

場を盛り上げる30の会話術

25

相手を元気にさせる魔法の言葉。「その魅力は何?」

相手を元気にさせる魔法の言葉。「その魅力は何?」 | 場を盛り上げる30の会話術

中学生のころ、功一君という友人がいました。

功一君は、大のアニメ好きです。

少しマニアックな話になりますが、功一君は『魔方陣グルグル』の大ファンです。

『魔方陣グルグル』の単行本だけでなく、ビデオも全作品をそろえています。

毎日、暇があったら見ていると言います。

遊びに行くと、部屋にはポスターが貼ってあり、登場人物の人形まで置かれています。

熱烈なファンである様子が、よくわかりました。

とりわけ漫画『魔方陣グルグル』に熱中しているので、そのアニメの魅力が気になりました。

「そのアニメの魅力は何だろうか」

純粋な疑問が浮かんだので、尋ねてみました。

彼はしばらく考えた後、自分なりに『魔方陣グルグル』の魅力を語り始めました。

「すべてのストーリーが前向き」

「必ず、面白い結末がある」「世界観が大好き」

数十分、あれこれと語り始めました。

すると、面白い出来事がありました。

「何だか話をしているうちに元気になってきたぞ!」

功一君は、自分の好きな趣味について語っているうちに、元気になりました。

表情はぱっと明るくなり、嬉しそうに跳ねています。

興奮気味で、アニメのキャラクターの真似をしてくれ、私を笑わせてくれました。

私は単に「その魅力は何?」と尋ねただけです。

それ以外、何もしていません。

しかし、尋ねただけで相手を元気にさせてしまったのです。

その瞬間、はっと気づいたのです。

私はいつの間にか、彼の内観を深めるお手伝いをしていたのだと。

突然ですが、あなたの好きなことは何ですか。

好きな趣味を頭に思い浮かべてみましょう。

その魅力は何ですか。

「ええと、……」

「その魅力は何ですか」と聞かれて、言葉に詰まったと同時に、少し考えたはずです。

それはいい時間です。

好きなことを、さらに深掘りしているのです。

人間は、好きなことを答える機会はありますが「なぜ好きなのか」という理由まで答える機会は少ないものです。

「なんとなく好きだな」と思っているだけの場合が多い。

しかし、他人から「その魅力は何?」と聞かれると、あらためて自問自答することになります。

内観です。

「なぜ好きなのか」

「好きになったきっかけ」

「魅力について」

自分の好きなことについて、どんどん掘り下げる作用があるのです。

すると、元気になります。

「なるほど、自分が好きな理由はそういうことか」

他人に向けて話をしているにもかかわらず、話をしている本人こそ、驚くのです。

自分で自分を発見するからです。

相手の好きな話が出たら、次の質問を投げてみましょう。

「その魅力は何?」です。

すると相手は、魅力について自分なりに話をします。

「なぜ好きなのか」

相手は、たちまち元気になるはずです。

何気ない一言に、すさまじいパワーが秘められているのです。

場を盛り上げる会話術(25)
  • 好きな話が出たとき「その魅力は何?」と聞いてみる。
「その気持ちわかる」より「似たような経験がある」のほうがいい。

場を盛り上げる30の会話術

  1. 嫌いな話で盛り上げるより、好きな話で盛り上げる。
    これが気持ちのいい会話の鉄則。
  2. 大きな反応を心がけると、会話のテンポは、どんどんよくなる。
  3. 会話の反応は、言葉より表情に力を入れる。
  4. 「うん。
    そうだね」より「うん。
    うん。
    そうだね」。
  5. 「どうせ誰にでも言っているんでしょ」は禁句。
  6. わからない話が出たとき、相手を褒めるチャンスでもある。
  7. 会話の乗りがいい人は、負けるとわかっている喧嘩を売ってくる。
  8. お互いの共通点は、会話が盛り上がりやすい。
  9. 質問しながら、相手をさらりと褒める方法。
  10. 歓迎するフレーズを言えば、会話の乗りが自然とよくなる。
  11. 返事をあと0.1秒早くするだけで、会話のテンポは変わる。
  12. リラックスできるとはいえ、椅子の背にもたれたままの会話はよくない。
  13. 経験がなくても会話を続けられる、上手な返事の仕方。
  14. 大まかに話すと、会話のテンポがよくなる。
  15. 「感謝」だけの表現から「感謝+褒める」の表現へと変える。
  16. 嫌いなことの話をすると、なぜか大笑いする。
    そんな相手の本当の心理に、気づいていますか。
  17. 会話中、一瞬時計に視線が動くだけで、会話のテンポが悪くなる。
  18. 会話を、会話だけで、終わらせない。
  19. 「少し違う」と思うくらいでは、あえて反論しない。
  20. テーマについて知っていることを聞かれる前に話すと、盛り上がる。
  21. 会話上手な人は、いざというときのために、飴玉を持っている。
  22. 誰かと一緒に飲むお酒は、適量を守りにくい。
  23. 同じ会話は二度とできない意識を持つ。
  24. 自分の話した好物の話が、相手の人生を豊かにする。
  25. 相手を元気にさせる魔法の言葉。
    「その魅力は何?」
  26. 「その気持ちわかる」より「似たような経験がある」のほうがいい。
  27. 気の利いた返事をされると、いくら話をしても、疲れない。
  28. 会話に、正論を持ち込まない。
  29. 意外な発言を聞いても、どん引きした表情を表に出さない。
  30. いずれにせよは、言わないほうがいい。

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