通常、パンが出てくるときには、パン皿も出てくるものです。
しかし、レストランによってはパン皿が登場しないことがあります。
特に「ビストロ」と呼ばれる、小さな居酒屋風のレストランでは、そういう場合が多いようです。
「パン皿がないなんて、サービスの悪いレストランなのだろう」
いえ、そうとは限りません。
意外にもフォーマルなレストランでさえ、パン皿が用意されない場合があります。
なぜパンにパン皿が用意されていないのでしょうか。
不思議ですね。
これには、テーブルマナーの歴史が関係するようです。
17世紀のイタリアやフランスでは、純白のテーブルクロスにパンを直接置くのは、上級階級の証しであり、特権とされていました。
その昔の名残がいまだに残っているようです。
また、パン皿を置いていないと、テーブルクロスに注意がむきます。
「パンが直接置けるくらい美しく高級なテーブルクロスです」という、テーブルクロスの美しさをアピールする意味もあります。
現在でもその名残が残っていて、高級レストランでもパン皿が用意されていないことが多いのです。
パン皿を置いていないのは、昔からの名残やテーブルクロスの美しさをアピールする意味などが込められているのです。