夫にも妻にも、夫婦になれば、覚悟が必要です。
独身のころは自分勝手にしていたけれど、これからは協力しなければなりません。
未婚時代は「自分は自分。他人は他人」と思って生きていました。
しかし、夫婦になれば違います。
妻の事情は夫に関係し、夫の事情は妻にも関係します。
体は2つでも、夫婦として営んでいるかぎりは、1つと思うことです。
自分の健康状態は自分の体のことだから、パートナーには関係なく、迷惑をかけることもないと思います。
ところが、自分の健康状態はパートナーにもつながることです。
たとえば、何らかの事情により、夫が健康状態を大きく崩して、長期の入院になったとします。
入院するのは夫だけで、妻の健康状態に変わることはないと思いますがそうではない。
夫が入院して身動きが取れなくなると、妻は大変です。
食べていくことができなくなります。
夫が妻の代わりに稼ぎに出る必要が出てくるからです。
夫が入院して身動きが取れなくなることで、妻は夫役も対応しなければならなくなります。
生活費を稼ぐために、妻は夫のように朝早くから夕方まで働いて疲れます。
夫ほど力や体力がない女性には、夫以上に大変と感じるはずです。
そのうえ、家では変わらず掃除や洗濯があります。
子どもがいれば、育児に奮闘し、目まぐるしい毎日になるはずです。
妻は、2人分の働きをしなければならず、苦労します。
大変な負担になれば、今度は妻のほうこそストレスで倒れるかもしれません。
結果として夫も妻も入院してしまう……、なんて縁起の悪いことを考えたくはありませんが、可能性はあります。
では、逆のパターンも考えてみましょう。
妻が、何らかの事情により、長期入院することになりました。
入院するのは妻だけで、夫の健康状態に変わることはないと思いますがそうではない。
妻が入院して身動きが取れなくなると、夫は大変です。
妻がいなくなるので、掃除・洗濯・食事まで、すべて自分で作る必要も出てきます。
そのほか、こまごまとした雑務など全部夫がします。
子どもがいれば、子どもの面倒も夫が見なければいけませんね。
いつも妻ばかりに子どもの面倒をお願いしていた夫が、急に子育てになると、必ず戸惑います。
大変な負担になれば、今度は夫のほうこそストレスで倒れるかもしれません。
結果として夫も妻も入院してしまう……。
おや、これは先ほどと同じケースですね。
縁起の悪いことを考えたくはありませんが、可能性はあります。
夫婦というのは、夫と妻とが協力し合っているからこそ、成り立ちます。
夫婦になれば、お互いに支え合いながら協力していくということです。
支えがいなくなると、倒れます。
夫婦でいるかぎり、自分の健康状態は相手にもつながることであり、相手の健康状態は自分にもつながることになります。
「運命共同体」です。
独身のように「自分は自分。相手は相手」というふうに、別々に考えるのは卒業です。
これからは「妻の事情は夫の事情であり、夫の事情は妻の事情」です。