仕事の前と言えば、事前準備が基本です。
手術や商用作業など、計画的に進める大きな作業では、本番で失敗しないようにするために、事前に準備をしておきます。
「余裕を持って十分に準備をしておこう」
ここまでは当たり前の話です。
ポイントは「いつ事前準備をするか」です。
はるか昔にした事前準備は、本番になり、用意した準備の内容を忘れています。
何をどこまで準備できているのかを忘れてしまっては、せっかくの準備も意味がありません。
仕事のできる人は、あえて「直前」に準備を始めます。
少し時間に余裕がないぎりぎりになり、ようやく事前準備を始めます。
もちろん運命に関係するような決断の前には、余裕のある準備が必要です。
特に、人命が関わるような「手術」や人生の道が決まる「受験」では、事前準備をしっかりしておかないと大変なことになります。
しかし、そうした天下分け目の大きな作業をのぞけば、話は別です。
あえて直前になって準備を始めたほうが、よい結果が生まれる場合があります。
タイムプレッシャーによって自分を追い込み、底力を発揮するためです。
学生時代のとき、試験日前になって必死になって勉強した徹夜のように、ぎりぎりになるまで自分を追い込みます。
「大変だ。時間がない」というタイムプレッシャーを利用すれば、底力を発揮できます。
こういうときは、自分でも驚くほどの力を発揮します。
タイムプレッシャーによって追い込まれているので、普段以上のやる気と集中力が発揮され、記憶力も高まっています。
タイムプレッシャーによる追い込みが成功すれば、短時間であるにもかかわらず、作業準備を効率よく進めることができます。
この方法は、あまり大きな声では言えません。
少しリスクが伴う方法ではありますが、効果があるのはたしかです。
仕事ができる人は、こっそり実践しているのです。