日本の学校の夏休みでは「夏休みの宿題」が恒例です。
およそ1カ月間の休暇中にしなければならない宿題が、山のようにあります。
私も小学生のころから、夏休みの宿題には何度も悩まされてきました。
そんな夏休みの宿題について、ほかの生徒たちの取り組み方を見ていると、あることに気づきました。
勉強ができる人ほど、なぜか、夏休みの宿題を早く終わらせています。
驚くべきことに、夏休み前に夏休みの宿題を終わらせているという猛者までいました。
その人は、学年でトップの成績でした。
男子でも女子でも、どの学年でも共通して見られる傾向でした。
勉強ができるから、手を付けるのが早いのではありません。
手を付けるのが早いから、勉強ができるようになりました。
早めに問題に着手することで、自分の弱点も早く見つけることができます。
早い人ほど時間に余裕があるため、弱点への対策を立てやすく、結果として学力が上がってしまいます。
仕事ができる人は「早ければ早いほど有利」ということを、潜在的に気づいています。
初めから100パーセントを目指さず、復習によって100を目指そうとします。
間違えるのは誰でも同じです。
大切なことは、間違いを改善できる時間があるかどうかです。
夏休みの宿題に早く着手する人は、取り組みが早いので、弱点に早く気づき、間違ったところも早く穴埋めができます。
十分な時間があれば、どんな弱点も補てんが利きます。
これは学生だけでなく、社会人でも同じです。
仕事ができる人ほど、仕事に着手するのが早いのが特徴です。
できる人は、初めから100パーセントを目指さず、とにかく早く手を付け始めます。
そうすることで、ミスをしたとしても、改善する時間があるため、納期までに仕上がることが可能になります。
一方、仕事のできない人ほど、ゆっくりやろうとします。
ゆっくり丁寧にすることが、仕事の質を上げることだと思っています。
たしかにゆっくり丁寧に仕上げようとする姿勢は素晴らしい。
しかし、人間ですから、必ずどこかでミスが発生します。
ゆっくり丁寧に進めると、ミスをしたときに改善する余裕がなくなり、結果として仕上げが甘くなるのです。