「1件しかない店」なら、客はそこに集中します。
1件しかないので、ほかに選択のしようがないからです。
物が不足していた時代では店が少なく、お店が1件できるだけで多くのお客さんが押し寄せてきました。
しかし、今は何でも手に入る時代です。
ほとんどの産業では、同種類の店が複数対立しています。
競争が当たり前になってしまいました。
たとえば、あなたの家の近くを見てみましょう。
複数のスーパー・複数のラーメン屋・複数のレストランがあるのではないでしょうか。
もし、スーパーが1件だけなら、迷うこともありません。
しかし、複数あるなら、どこに行こうか迷います。
特にこれといった理由がない場合は「近場で安いお店」を選んでしまいます。
楽をしたがる人間は、特別な理由がないかぎり、近場で安いお店が一番楽だからです。
より多くの人に足を運んでもらおうとするなら、工夫が必要です。
競争に勝つためには、お客さまに選んでもらう理由を作らなければいけません。
「選ぶ理由」を作り出すことが、店側の仕事です。
それが「目玉商品」です。
ほんの一部でかまいませんから、客を引き付ける目玉商品を作ることです。
目玉商品は、大いなる客寄せの効果を発揮するからです。
珍しい商品でもいいです。
格安の商品でもいいでしょう。
目玉が飛び出るような驚く商品を作ります。
たとえば、不動産屋の店頭に「本日の優良物件」というチラシを張り出します。
赤字覚悟の優良物件でかまいません。
日当たり良好で、立地条件もよく、しかも安いという、まさに「目玉商品」です。
たった1枚でもそういう張り紙があると、ちらしの前で多くのお客さまが立ち止まります。
素晴らしい目玉商品に夢を膨らませ、お客さまの多くが来店します。
もちろん目玉商品はすぐ売り切れてもかまいません。
事実、目玉商品は人気があるため、すぐ売り切れます。
たとえ、優良物件が売り切れていたとしても「ほかにいい物件はありませんか」という話の流れになります。
売り上げアップにつながります。
あなたのお店には、目玉商品がありますか。