三軒茶屋には、たくさんの職種のお店がひしめき合っています。
商売がうまいところは長続きしていますが、下手なところはすぐつぶれます。
私はたくさんのお店を目にして、商売がうまいなと感じるお店の共通点を発見しました。
単純なことをしています。
営業時間になれば、店内だけでなく、店頭の道端で商品を売り始めます。
これをするのかしないのかは、存続か廃業かのわかれ目と言っても過言ではありません。
パン屋なら、店内だけでなく、店頭の道端で売り始めます。
饅頭屋なら、店内だけでなく、店頭の道端で売り始めます。
豚カツ屋なら、店内だけでなく、店頭の道端で売り始めます。
このように「店頭の道端で売る」という行為は、大きなメリットがあります。
通常、お客さまの立場としては、店内に入るには勇気がいります。
「どんな物が売っているのか。入りやすいかどうか。店員はどんな人なのか」
さまざまなことを考えて、気になれば店内に足を踏み入れようとします。
しかし、たいていほとんどのお客さまがここで断念します。
店に入るのは、面倒なことです。
そこまでしてまで気になるような目玉商品がないと、なかなか店の中まで入ってくれません。
店の前を通ることはあっても、入るのは手間がかかるので、また今度にしようと思います。
ここでチャンスをなくしています。
しかし、もし道端にまで店内の一部が出ているとどうでしょうか。
店内に入らずして、商品を目にすることになります。
道を歩いていて、ふと目にした商品が気に入れば、購買意欲につながります。
「ほかにどんな商品があるのかな」と思い、店内に足を運ぶお客さまも増えます。
当然のことながら、売り上げアップにつながることでしょう。
店頭の道端で売るのは、商品を外に移動させて、時間も手間もかかります。
しかし、これを面倒だと思ってしない店は、瞬く間に売り上げが落ちて、まもなく廃業になるのです。