私は次の文章を書くために、ささいな頭痛と吐き気を催してしまいました。
そのくらい、今思い出しても、深い後悔と未熟さに情けなくなり、ため息が出てしまいます。
私がこれまでしてきた「電話対応の失敗ベスト1」を紹介します。
私が新入社員として、入社数カ月目に起こった出来事です。
まだまだ私は電話対応になれておらず、あたふたしていました。
そんなある日、会社に営業の電話がかかってきました。
「社長はおられますか」という切り口で、話が始まりました。
社長はすでに定時で退社したため、会社にはいませんでした。
話の内容から、営業の電話というのはわかりました。
しかし、営業の人に対してどう対処していいのかわからなかったほど、未熟だった私は困りました。
営業のうまい話し方に操られ、うっかり社長の携帯番号を教えてしまったことがあります。
今思い出しても、なんということをしてしまったのでしょうか。
10分後、社長からすさまじい怒りの電話がかかってきました。
「今、携帯番号を教えたのは誰だ! ばかやろう!」
営業の電話が社長の携帯に直接かかってきたことで、誰かが自分の携帯番号を教えたことを察知して、すぐ本社へ連絡がきました。
怒るのも当然です。
プライベートの携帯電話に直接営業の電話がかかってくれば、教えた人間を怒鳴ります。
そのときに大変な間違いを犯してしまったことに気づいたのです。
ひどく怒鳴られ、次の日も、引き続いて叱られました。
私はその後、この件でどんな人からの連絡でも、携帯電話の番号を教えないようにしました。
では、このとき、私はどのような対応を取るのが適切だったのでしょうか。
「営業のお電話はお断りします」と貫けばよかったのです。
相手にどんな強い押しがあっても、とにかく教えていけないものは教えてはいけません。
「相手に悪いな」「せっかく電話してもらったのに」という罪悪感があるのは、学生気分が残っている証拠です。
社会人では、クールに厳しく言わなければならないときがあるのです。