会社に新入社員として入社して、はじめの3年間は、なにより大切な時期です。
この3年間は、強く意識しましょう。
覚えなければならないことが山のようにあり、人付き合いも慣れていないため苦労をします。
社会に出て、苦労することといえば、やはり人間関係です。
人間関係は、社会に出た誰もが必ず経験する、課題です。
仕事の楽しさは、人間関係で決まるといってもいいでしょう。
学校で習う数学では、基本ができて、初めて応用ができるようになります。
応用は、基本ができていることが大前提です。
これは言うまでもありません。
「仕事の仕方」を覚えることは、基本の中の基本です。
「仕事の基本」とは「仕事の仕方」のことをいいます。
当たり前に行う基本的な仕事です。
新人のころは、簡単な仕事でも、全力を持って取り組むことが重要です。
全力を持って取り組むことで、最大限まで力をつけることができ、またそうした姿勢を上司はしっかり見ています。
上司は、仕事ができる、できないより、全力を持って取り組んでいるかどうかを見ています。
入社したばかりのころは、仕事を選んではいけません。
新人は、ただでさえ仕事ができない人間ですから、大きな仕事を任せられません。
もちろん仕事を選ぶこともできません。
ウォーミングアップは、スポーツだけでなく、仕事にもあります。
スポーツのウォーミングアップは、ストレッチや柔軟体操にあたりますが、仕事のウォーミングアップは「早く出社すること」です。
あなたは次のうち、どちらに当てはまりますか。
入社3年間に注意したいセリフがあります。
「新人です」というセリフです。
「どこがいけないの?」と不思議に思うかもしれませんが、実はよくないセリフです。
入社をして間もないころ、おそらくあなたは一種の絶望を感じることでしょう。
たいてい入社したばかりの新人は、大きな夢や希望を抱いています。
抱きすぎているばかりに、現実とのギャップに驚きを隠せません。
入社3年間は、いきなり大きな仕事は与えられないと考えましょう。
入社して間もない新人には、小さくて責任の軽い仕事が与えられます。
・コピーとり
入社3年間は、雑用レベルの仕事しか与えられません。
3年とは長く感じられるかもしれませんね。
では、逆に、任された雑用のトップになってやろうと考えればいいのです。
「適当にやります」
「気が向けば、対応するかもしれません」
「なんとなくです」
一番下っ端である新人は、周りから叱られやすい立場にいます。
自分以外は先輩たちばかりですから、逆らえず、怯えてしまうものです。
私が入社したばかりのときも、同じ状態でした。
つながりを持つのは、社内だけではありません。
社外の人とつながりを持つことも、重要です。
自社の人たちとばかり関係を持っていると、視野が狭くなります。
1つの業界の中で生きていると、偏りのある情報しか流れてきません。
IT関係の会社では、IT業界の話しか流れてきません。
出版関係の会社では、出版関係の話しかされないものです。
新人のうちは、頭だけで考えてはいけません。
頭だけで考え、答えを出す新人はかっこいいかもしれませんが、嫌われます。
「これはこうなるから、こうなると思います」
入社して、ある程度業務に慣れてくれば、仕事にも余裕が出てきます。
今までは学ぶばかりでした。
業務に必要な知識や仕事も、たいていは一定していますから、慣れてくれば「同じことの繰り返し」と感じるようになります。
新人には、仕事が始まる前の仕事があります。
掃除です。
社内の掃除は、新人が入社してはじめに担当する重要な仕事です。
新人時代である入社3年間に貯金をする余裕はありません。
初めて社会に出て、初めて仕事をする時期です。
たくさん学ぶことがあり、学ばなければならないことが山ほどある時期です。
仕事への評価が最も高くなる姿勢は、仕事を頼まれた瞬間から始める姿勢です。
頼まれた瞬間から仕事を始めることが、最もモチベーションを保てます。
仕事の質が高くなり、上司からの評価も高くなりやすい。
新人は、初めは何も仕事ができない状態です。
ここからどうやって、這い上がっていけばいいのでしょうか。
与えられる仕事のなか「これだけは誰にも負けない」という得意分野を作ることをおすすめします。
あなたの先輩は、あなたの仕事の実績をそれほど見ていません。
新人の行う仕事の実績とはいえ、微々たるものです。
先輩が見ているところは、あなたの仕事に対する姿勢です。
あなたは、失敗の後、そのままにしていませんか。
働く人には、成長する人としない人がいます。
新人の中でも、伸びていく人とそうでない人がわかれてしまうものですが、どこが違うのでしょうか。
入社してまず新人が行うことといえば「師匠探し」です。
「この人についていきたい」
「この人はすごい」
新人に対しては、上司はがみがみうるさいものです。
一生懸命に育てよう、大きくなってもらいたいという願いを抱いていますから、あれこれと口うるさく言葉を挟んできます。
では、新人以外の人間に対してはおとなしいかというと、そうでもありません。
「いつがいいかな」
「誰とすればいいかな」
「どっちがいいかな」
「3倍働ければ、3倍の速さで成長できる!」
私は入社したての新人のころ、このように単純に考えていたときがありました。
3倍多く仕事できれば、それだけ多く経験ができ、身につく早さも3倍に速くなるものだということです。
こだわりは、入社をすれば、すぐ捨ててしまいましょう。
特に入社3年間は、こだわりは不要と思ってください。
仕事をするうえでは、こだわりは障害となり、思うように進まなくなります。
「無礼講」という言葉は「堅苦しい礼儀を抜きにする」という意味です。
会社で行われる宴会では「今日は無礼講で飲もう」という声がよく飛んできます。
職場で飲み会があるときに、よく聞かれる言葉です。
最後に大切なこととして、このお話をしましょう。
入社して、誰もが一度は考えること「仕事、辞めようかな」という病です。
仕事の難しさ、種類、量こそ多少の違いはあれ、入社をして3年も経てば慣れてしまい、スムーズに対応できるようになるものです。