無駄な時間をなくしたいなら、仕事のマルチタスクに注意してください。
もともとマルチタスクとは「複数の処理を同時に実行する」というコンピューター用語ですが、ビジネスシーンでもよく使われます。
仕事ができる人は、マルチタスクで複数の仕事を一挙に進めているイメージがあるのではないでしょうか。
複数の仕事を同時に進めるマルチタスクは、一見効率が良さそうに思えますが、実際は違います。
マルチタスクというと聞こえはいいですが、実際は短期間で切り替えながら同時進行に見せている状態です。
それぞれの仕事を行ったり来たりすることになり、そのたびに「頭の切り替え」が発生します。
この頭の切り替えが侮れません。
仕事の切り替えるたびに余計な負荷がかかり、無駄な時間を生んでいるのです。
たとえば、2時間かかる仕事が3つあって同時に取り組むとします。
単純に計算すると、3つの仕事を完了するのに計6時間かかるはずですが、実際はもっと時間がかかります。
複数の仕事をしていると、頭を切り替える手間暇が加わります。
「どこまで進めたか。どこから再開するか」という確認が必要になり、時には準備も必要となり、これが余計な遅延を生むのです。
忙しい場合、複数の仕事を掛け持ちしなければいけないときもあるでしょう。
無駄な時間を減らすなら、マルチタスクよりシングルタスクで進めるのが得策です。
先ほどの例の場合、1つの仕事に集中して終わらせた後、もう1つの仕事に取り組むという進め方がいいでしょう。
「Aの仕事が終わればBの仕事」というように、1つずつ仕事に取り組んでいけば、頭の切り替えを最小限に抑えられます。
またシングルタスクで仕事をすると、目の前の一点に集中できるため、ミスが減るうえ、仕事のクオリティー向上にもつながります。
無駄な時間を減らすなら、マルチタスクよりシングルタスクです。
複数の仕事がある場合、基本的にシングルタスクでやるほうが、最速で終わらせることができるでしょう。
ただし、ここまで話したことをひっくり返すようですが、これには例外があります。
「クリエイティブな仕事は例外」と考えてください。
Aの仕事でひらめいたアイデアがBの仕事に生かされ、Bの仕事でひらめいたアイデアがCの仕事に生かされるケースがあります。
マルチタスクで進めることで、さまざまな情報に触れる機会が増えるため「アイデアの化学反応」が起こりやすくなります。
結果として仕事がスムーズに進むことが少なくありません。
クリエイティブな仕事の場合、あえてマルチタスクで進めるほうが、より素晴らしい結果をもたらしてくれるのです。